夏休みの短縮、または廃止を希望する親が6割
NPO法人「キッズドア」が困窮子育て家庭を対象に行った調査、「2024 夏 子育て家庭アンケートレポート」(回答数:1821件)では、約6割が夏休みの短縮、または廃止を希望すると回答しました。理由として、「子どもが家にいることで生活費がかかる」「給食がなく、子どもの昼食を準備する手間や時間がかかる」「子どもに夏休みの特別な体験をさせる経済的な余裕がない」などがあがったそうです。
夏休みは体験格差が顕在化しやすいと感じます。筆者も子どもの頃、夏休みが嫌いでした。他の子はおばあちゃんの家に帰省したり、遠出したりして思い出を作る中、自分は家で、満足な食事もとれず、やることもなかったからです。夏休みの出来事を絵日記で書く宿題では、書くことがなくて困ったこともありました。
また、部活動も経済格差が現れやすいところです。特に運動部は、道具代や遠征費などがかかり、経済的負担が大きくのしかかるうえに、送り迎えといった負担もかかってきます。野球やサッカーをやりたくても、お金がないとの理由で諦める子どもたちや親の声が記事になったことが何度かありました。部活動は学校によってはどこかに所属するのが絶対、ということも多いですが、親の収入によって選択肢が狭まってしまうのが現実です。
「お金がないのに体験を求めるなんて贅沢だ」の声
学校の部活動でさえ、自由に選べないなんて胸が痛い話ですが、そうした報道がされるたび、ニュースサイトのコメント欄トップに来るのは、「お金がないのにやりたいなんて贅沢だ」「我慢を学ぶことも大切」「親に経済力がないなら仕方がない」「スポーツはお金がかかるものだ」といった声の数々。
体験格差の問題が報道されるようになって、反応として多いのは、残念ながら「子どもの選択肢が親の経済力によって決まるなんておかしい」という声ではなく、圧倒的に「お金がないのに体験を求めるなんて贅沢だ」という声なのです。
しかし、なにも海外旅行に行きたいといっているわけではなく、運動部に入りたい、地域の行事に参加したいというレベルなのに、贅沢だ、と一蹴されてしまうなんて、なんて貧しい社会なのか、と思わずにはられません。
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