9月9日、ケンジントンパレスの公式SNSを通して、新たな動画が公開されました。それはキャサリン妃がかねてから受けられていたガンに対する予防的化学療法がついに終了したことを伝えるものでした。
約3分に及ぶフィルム仕立ての動画の中で、キャサリン妃が自らナレーションをしメッセージを伝えられました。またその背景には、先月夏休み中過ごされていた郊外の御自宅や、近辺の海岸で過ごされたご一家の姿が撮影されていました。
まずはキャサリン妃のお気持ちがこもった動画とメッセージをご紹介します。そして、その動画を通して見えたキャサリン妃&ウィリアム皇太子ご夫妻の変化や、これまでの英国王室とは異なる新たな皇太子ご一家らしい国民へのアプローチ、更にお子様たちの成長ぶりなど、私視点で解説致します。
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自身の声で、感情を伝える
『夏が終わろうとしている今、ようやく化学療法を終えることができ、例えようのない程安堵を覚えています。この9ヵ月間は、私たち家族にとって信じられないほど厳しいものでした。
ご存知のように人生は一瞬にして変わり、私たちは荒波と未知の道を進む方法を見つけなければなりませんでした。がんの旅は、誰にとっても、特に身近な人にとっても、複雑で怖く予測不可能なものです。
謙虚になることで、これまで考えたこともなかったような形で自分自身の弱さに直面することになり、それによってあらゆるものに対する新たな視点が生まれます。
この時間は、何よりもウィリアムと私に、人生におけるシンプルで大切なことを振り返り、私達が当たり前だと思っていることに感謝することを思い出させてくれました。ただ愛し、愛されること。
がんの無い状態でいるためにできることをすることが、今私が集中すべきことです。化学療法は終わりましたが、治癒と完全回復への道のりは長く、一日一日をありのまま受け入れていかなければなりません。
しかし、私は仕事に復帰し、今後数ヵ月のうちに、可能な限り人前で仕事をすることを楽しみにしています。
これまでいろいろなことがあったにせよ、私は希望と人生への感謝の気持ちを新たにして、この回復の新たな段階に入りました。ウィリアムと私は、私たちが受けてきたサポートにとても感謝しており、今、私たちを助けてくれているすべての人々から大きな力をもらっています。皆さんの優しさ、共感、思いやりは本当に有難いものでした。
自分のがんの旅を続けているすべての人たちへ、私はあなた方と共にあり続けます。暗闇から光は生まれる、だからその光を明るく輝かせてください』
まずは何より、化学療法の終了、本当に良かった!! キャサリン妃も話されているように、これで終わりではないけれどひとまず大きな、前向きな節目として、とても喜ばしい朗報ですね。
とはいえ、安堵と同時にうかがい知るのは、やはりこれまでの9ヵ月間の闘病の辛さ。ご本人のお気持ちを計り知ることなど到底出来るわけもありませんが、いくらポジティブな報告とはいえ、かつてのように声明を出すだけでなく、動画でナレーションをするという、いわば感情が露見する形での方法を選ばれたことが、キャサリン妃らしいといえるのです。
本来、上流階級になればなるほど英国人は感情を表に出さないのが良しとされてきた中で、昨今皇太子ご夫妻は、公務を通じて感情を出すことの重要性を訴えてこられました。まさにそれを体現するかのように、不安や葛藤といった感情も含め、世界中に発信されるSNS上で吐露されたことは、とても勇気が要ることだと思います。
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