肩こりと同じ!動かさなければ骨盤まわりの筋肉だって硬くなる


内閉鎖筋のこりとはいったいなんなのでしょうか? 

「たとえば肩こりは整形外科では筋筋膜性疼痛症候群(MPS)と呼ばれており、肩回りの骨格筋の硬直から、首や腰の痛みや腕が上がらない、腰が動かせないといった運動異常と、手足のしびれ、頭痛、吐き気といった感覚異常を引き起こします。

骨盤底の中にもたくさんの筋肉があり、肩こりと同じような現象が起きています。これを筋筋膜性骨盤疼痛症候群(MPPS)と呼びますが、起点となるのが、骨盤底筋の中のひとつである内閉鎖筋(ないへいさきん)のこりです。これによって膀胱、子宮、膣、肛門、腰痛といった下腹部痛みや、排尿、排便にトラブルが表れます。

こりがひどい場合、腟から内閉鎖筋をほぐすマッサージを行うと症状が改善するので、私はわかりやすく『腟こり』と呼んでいます」

“腟から指を入れてマッサージ”という、なかなか衝撃的な響きに戸惑いますが、まずは内閉鎖筋の位置から学んでいきましょう。

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内閉鎖筋は、膀胱の両側の隣にあり、お腹の内側を通って股関節で直角に曲がり、お尻の横までつながっている特徴的な形をしています。膝を開閉するときに動く筋肉で、骨盤底筋の中でも広範囲幅を占めているので、周囲の臓器に影響を及ぼしやすいのです。

特に内閉鎖筋の筋膜は膀胱と接しているため、内閉鎖筋がこると膀胱の収縮も悪くなり、痛みが出たり、尿が漏れたり、だらだら出たり、出にくくなったりというトラブルにつながります。