長時間のデスクワークによる体のゆがみがリスクに


安倍先生は内閉鎖筋のこりの大きな原因として、長時間のデスクワークを挙げています。

長時間のデスクワークで下腹部の不快感を抱く女性が増加中。それは”内閉鎖筋”のこりが原因かも_img0
写真:Shutterstock

「そもそも筋肉は体を動かすためにある器官なので、動かさないと固まって、痛みが生じます。一日中座りっぱなしで仕事をしていると夕方には肩や腰がこって辛くなってきますが、内閉鎖筋も同じです。たとえば、足を組んで座っていると、内閉鎖筋は伸ばされたままの状態になり、動かないと10分程度で固まってしまいます。内閉鎖筋はお腹の内側までつながっている大きな筋肉なので、外側からマッサージできない箇所のこりにもつながり、それが積み重なることでさまざまな下腹部の不調につながります。座って過ごす時間の長い現代人にとって、社会問題になる病だと思いますが、医療者にもあまり知られていません。

 

下腹部の不快感で、泌尿器科、婦人科、内科を受診し、原因不明と言われて、当院に駆け込んで来られる方は多いです」

確かに、下腹部痛の原因が骨盤底にある筋肉のこりとは考えも及ばないでしょう。しかし、狭心症でも肩まわりに痛みを覚えることがあるように、筋肉も神経も連動しているので、痛みの原因をつきとめることが、的確な治療のための第一歩となるのです。