誰もが自分を活かせる生き方を提唱したい


――とはいえ「才能」と呼ばれるものは、特別な人にしか授けられないものというイメージがありますが……。

そうでしょうか。たとえば子どもの頃、絵描きになりたいと思ったのに、親や先生から「そんなんじゃ食べていけない」と止められたり、「その程度の実力で?」などと否定されたり、外的な要因によって諦め、努力することもできなかったということはあるんじゃないでしょうか。誰に言われなくてもみずから、リスクの少ない道を選んだことも。社会的な圧によって、本来の自分をゆがませてしまった人を、僕はたくさん見てきました。僕自身、本来の自分が望まない選択を重ねて、心身を病んでしまったこともあります。そのゆがみが、他者への羨みやマウントに繋がり、争いを呼ぶと知っているから、誰もが自分を活かせる生き方を提唱したいんです。それが平穏な日常、大袈裟にいえば世界平和にだって繋がるはずだと思うから。

11/20、冥王星が水瓶座に入り、風の時代の“本番”スタート!「自分の才能」をちゃんと知ろうとするだけで人生が変わる【占星術士yujiインタビュー】_img0
 


幸せのかたちは一つではないことに、多くの人が気づき始めた


――確かに、ネガティブな感情って、我慢が多いからこそ生まれるものですよね。どうして自分ばっかり、と思うと、自由にのびのびと生きている人が妬ましくもなる。

なぜ人が我慢を重ねてしまうかといえば、社会に「こうあるべき」という雛型が満ちているから。でも今、時代が変わりつつあることは、誰もが感じていることでしょう。これまでは決められた型に自分を適合させることさえできれば、自分が幸せを感じられるかはさておき、他人から幸せだと思ってもらえる生き方を踏襲することができた。でも、幸せのかたちが一つではない、と多くの人が気づき始めている今、より重視されるのが個の輝き、自分自身が納得する生き方ができるかどうか、です。これは実は、星の動きとも合致しているんですよ。
 

 


破壊と再生を司る冥王星が、強制的に時代を変える


――経済力や学歴、ブランド力などが世の中を支配する「土の時代」が2020年末に終わりを告げ、オリジナリティや情報など目に見えないものが主軸となる「風の時代」が到来すると、これまでもご著書で書かれていましたね。

土の時代は、18世紀末に起きた産業革命の頃から始まりました。それから約220年、試行錯誤を重ねて醸成された価値観のもと生きてきた私たちは、新たに何かを生み出す必要はなく、ただ先人たちの見つけた最適解に乗っかっていればよかったんです。でも、本書の発売される2024年11月20日、ついに冥王星が水瓶座の位置に入り、本格的に「風の時代」が到来します。冥王星は、本書でも書いたように、占星術で用いる天体のなかで最大レベルの威力をもつ、破壊と再生を司る星。腐敗を嫌い、本質的なものに回帰させるエネルギーをもつのです。
 

今は『シンデレラ』の魔法がとける直前の世界


――それはつまり、これまで信じてきた最適解が壊されるということ?

もちろん、11月20日を迎えたからって、劇的な事件が起きるわけではありませんし、世の中がいきなり変わるわけではないでしょう。ただ、たとえるならば僕たちは、『シンデレラ』でいうところの魔法がとける直前、23時59分の世界に立っています。まだ〝アフター〟の世界にはいないけれど、あともどりはできない。魔法がとけたあとの新しい世界でどう生きていくのか、自分たちで正解を模索するしかなくなります。型に添うことで安心して生きてこられた人たちにとって、それは容易なことではないでしょう。だからこそ、自分の才能が何か、可能性がどこに広がっているのか、占星術を通じてヒントを得てほしいと思うんです。僕の経験上、占星術というのは自分を細分化し、深く知っていくのにとても適した術式ですから。