イタリア・ミラノから車で1時間弱、ロンバルディア州に位置するフランチャコルタ。それが世界有数のスパークリングワインの生産地とは、今回の取材のお話をいただくまで知りませんでした。飲むのが大好きな大草編集長と私(編集・川端)が、ワインジャーナリスト宮嶋勲さんのナビゲートのもと現地を取材。「ミモレ世代の女性にこそぜひ飲んでほしい」と確信をもって帰ってきました! フランチャコルタの魅力と美味しさの秘密を全5回にわたってレポートいたします。

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イタリアの日差しが誰より似合う編集長。写真もたっぷりでお届けしますよ!

<フランチャコルタとは?>

スパークリングワインも国や地域によって呼び名が変わります。イタリアのスパークリングワインを総称して「スプマンテ」と言いますが、スプマンテの中でも、フランチャコルタを生産地とし、瓶内2次発酵で製造され、かつ様々な厳しい基準をクリアした発泡ワインだけが「フランチャコルタ」と名乗ることができるのです。

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世界に数あるスパークリングワインの中で、瓶内2次発酵方式で造られ、ラベルだけで原産地、製造方法、ワイン名を特定できるのは、フランスの「シャンパーニュ」とスペインの「カヴァ」、そしてイタリアの「フランチャコルタ」の3つだけです。

製造方法、用語の解説や、フランチャコルタの種類についてはのちに詳しくご紹介するとして、まずは他のスパークリングとは違うオススメポイントをまとめます。

 


<フランチャコルタが大人の女性にオススメな4つの理由>

1.繊細で優しい泡は食事との相性もGOOD!

瓶内2次発酵という製法は、手がかかる分、ふくよかな味わいで泡もきめ細かく上品になります。フランチャコルタに使用されるブドウの品種は、「シャルドネ」「ピノ・ビアンコ」「ピノ・ネーロ(ノワール)」のみ。中でも、白ブドウ(シャルドネとピノ・ビアンコ)だけを使った「サテン」という種類は、その名の通り、シルクのように滑らかな舌触り、通常のスパークリングより気圧が低く、炭酸が弱いのが特徴。

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デリケートな泡立ちは食事にも合わせやすく「お腹がいっぱいにならないから、ずっと飲んでいられそう!」と大草編集長も真っ先にサテンに魅了されていました。

2.酸味が苦手な人にも! 加糖なしでも豊かな果実味

ワイン好きな人でも、シャンパーニュのドライな口当たりと奥歯のあたりにキュッと残る酸味が苦手、という人は少なくないでしょう。フランチャコルタ地方は、果実味たっぷりのブドウができやすい恵まれた土壌。シャンパーニュのようにドザージュ(加糖)をほとんどしなくても、酸が穏やかでフレッシュなスパークリングができるのです。全く加糖しない「ナチュール」という種類もあり、糖分が気になる女性にも嬉しいところ。

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ちょうど収穫直前のブドウを私たちも畑で食べさせてもらいました。ワイン用のブドウは食べても美味しくないと思っていましたが、そのままでも十分甘くてジューシィ!

3.香りの広がりを楽しむワイングラス

シャンパングラスといえば、細長いフロートタイプか結婚式の乾杯で出る平たいグラスを思い浮かべます。フランチャコルタ協会のオフィシャルグラスは、少し丸みのある形が特徴。口元に近づけると香りが豊かに広がって、思わず顔がほころびます〜♡

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咲きかけのチューリップのつぼみのような形が可愛らしい!

4.持ち寄りパーティにも最適なスタイリッシュなボトル

ファッションの都・ミラノのお膝元とあって、ボトルやラベルもおしゃれで洗練されたものが多いのも特徴です。フランチャコルタのスパークリングワイン産地としての歴史はまだ50年ほどと短いせいか、どのワイナリーのデザインもモダンでスマート。持ち寄りパーティの手土産や友達のお祝いにもGOOD!

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ミラノコレクションのオフィシャルスポンサーでもあり、ファッションとの繋がりも深いフランチャコルタ。ベラヴィスタの”撫で肩ボトル”は、日本のファッション系のパーティでもよく目にします。


<フランチャコルタという特別な地域>

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照りつける日差しは暑いけれど、時折気持ちのいい風が吹きます。「ブドウの木が風で揺れているのはいいブドウ産地の証拠」と宮嶋さん。湿気が溜まらないのが良いそう。
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イゼオ湖が作りだす温暖な気候とカモニカ渓谷の冷気による寒暖差により、ブドウがアロマと酸を保ちながら完熟する奇跡の土地!!

フランチャコルタは、元々は自分たちの家用の赤ワインを造っているだけの土地だったそう。1950年末に若い醸造家がシャンパーニュ式のスパークリングワインに挑戦したことをきっかけに、試行錯誤しながらも、わずか50年ほどで世界有数のブランドへと駆け上がったのだから驚きです!

とはいえ、シャンパーニュの年間生産数3億本に対し、フランチャコルタは1650万本。気候やミラノに近い立地など恵まれた環境のせいか、どこかのんびり、牧歌的な雰囲気なのもフランチャコルタの魅力です。

<製造方法や用語を知るともっと美味しく!>

ところで、瓶内2次発酵っていったい⁉︎ スパークリングワインのつくり方にはいくつか種類があり、中でも瓶内2次発酵は非常に手のかかる製法です。フランチャコルタになぜ上にあげたような特徴が生まれるのか、その造り方に秘密がありました。一緒にワイン専門用語もマスターして“泡モノ通”を気取りましょう!

イタリアの極上スパークリング「フランチャコルタ」の魅力に迫る【大草直子ワイナリーを巡る①】_img10 1.ブドウの収穫は8月中旬~9月。私たちが訪れたのはちょうど収穫直前でした。機械を使わず、手で摘み取るのだそう。
イタリアの極上スパークリング「フランチャコルタ」の魅力に迫る【大草直子ワイナリーを巡る①】_img11 2.伝統的な圧搾機。ブドウ本来の風味を損なわないよう空気圧を使ってゆっくりとプレスしてブドウジュースに。(※一番搾りをキュヴェ、二番搾りをタイユといいます)。
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3.収穫された畑(クリュ)ごと、ブドウの品種ごとに温度管理されたステンレスタンクで第1次発酵させます。この第1次発酵が終わったスティルワインをブレンドすることで、ワイナリーごとの個性あるワインが安定的に生み出されます。※ブレンドしないものもあります。
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4.ステンレスで発酵させるものと樽で発酵させるものがあります。ここまでは普通のワインと同じですね。
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.酵母と糖を加え、瓶詰めします。瓶の中でさらに発酵が起こって(これが瓶内2次発酵!!)、アルコールと泡が発生。この状態で18ヵ月以上熟成させるのがフランチャコルタの規定。
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6. 穴のあいた板に瓶を差し、ゆっくり回しながら傾けていきます。これにより発酵を終えた酵母の澱(おり)が瓶の口へ溜まります。これをルミアージュと呼びます。1本1本ゆっくり回す”ルミアージュ名人”がいるそうなのですが(気が遠くなる作業!)今は機械化しているワイナリーも多いとか。
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7. 一度凍らせて瓶の栓を抜くと、ガス圧で瓶の口に溜まっていた澱が抜けます。これをデゴルジュマンと呼び、デゴルジュマンによって目減りした分、ワインを足す際に、糖を加える(ドザージュ)する量によって、ブリュットドゥミ・セックなど辛さの表記が変わります。
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.コルク詰めをして針金で留め、ラベルを貼ったら出荷準備OK!と思いきや、ここらからもう一度セラーで寝かされて、熟成されてから出荷をするのだそう。

まあ、なんとなんと、手間と時間のかかることでしょう。しかも至る所で手作業が。こんな風に手塩にかけられた1瓶を「あっという間に飲んでごめんなさい」という気持ちになりました(拝)。さて、知識と専門用語がばっちり頭に入ったところで、次回からは、日本でも流通している銘柄を生産する注目のワイナリーをご紹介します。

①「イタリアの極上スパークリング「フランチャコルタ」の魅力に迫る」はコチラ>>
②「フランチャコルタを味わうなら!注目のワイナリー5選(前編)」はコチラ>>
③「フランチャコルタを味わうなら!注目のワイナリー5選(後編)」はコチラ>>
④「北イタリアの五つ星ホテルで心と身体もトリートメント!」はコチラ>>

>>「日本でフランチャコルタを楽しむレストラン」9月14日(木)公開予定

協力/フランチャコルタ協会

撮影・取材・文/川端里恵(編集部)