夫も自分で簡単な食事を用意できるようにします。まずは卵焼き


結婚以来、わが家の料理担当は義母と私。夫はもっぱら「食べる人」なので、ある日こういいました。

「少しは料理をしてよ」。すると、「卵焼きくらいなら、できるよ」と夫。

何年も前から聞いたセリフですが、つくるのを見たことがありません。「ほんとに? じゃあ、やってもらおうじゃないの!」と夫の料理姿をユーチューブで流したところ、大きな反響がありました。

卵焼きは幼い頃、義母がつくっているのを見て、自然と覚えたそうです。ついつい口や手が出そうになりますが、そこは我慢(『71歳、74歳夫と97歳義母と大人だけで楽しく暮らす』より)

パンとフルーツとヨーグルトですませることも多い朝食ですが、この日は卵焼きにウインナーつきの豪華版。フライパンに卵液を流し入れたら、左手にフライパン、右手にフライ返しを持って、そろそろと卵を裏返します。夫は脳梗塞の後遺症で手が動かしづらいのです。

 

りんごやバナナもカットし、お皿に卵焼き、ウインナー、キャベツのせん切り、トーストを盛りつけます。食後の皿洗いまできっちりこなすところは夫らしい。

(『71歳、74歳夫と97歳義母と大人だけで楽しく暮らす』より)

「少しは料理をしてよ」

私がそういったのは、ふだんの食事を手伝ってほしいからではありません。簡単な食事を自分で用意できるようになれば、私に何かあっても安心だからです。