年末が近づき、予定外の出費が増えてイライラしている人も多いのではないでしょうか。

大きな声では言わないかもしれませんが、お金の使い方を見れば、その人がどんな性格なのか分かってしまうというのは共通の認識だと思います。逆に言えば、お金の使い方をうまくコントロールできれば、自分自身を変えることもできるわけです。

お金はあればあっただけよいと思われがちですが、もっとも大事なのはお金と仲良くなり、上手な使い方ができるようになることです。そうすれば、お金に関するストレスからかなり解放されることになります。

 

お金との付き合い方が上手な人は、支出のメリハリがハッキリしています。使うべきところにはお金を使い、そうではないところにはムダな支出はしません。
お金に関するストレスは、たいていの場合、自分の自由にならないというところから来ています。現時点での収入をすぐに変えることはできませんが、支出のメリハリを付けることができれば、お金に振り回されるという感覚はかなり軽減できるはずです。

では支出のメリハリというのは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。

経済学の世界ではお金の支出には2種類しかないと考えます。ひとつは「消費」で、もうひとつは「投資」です。すべての支出は、このどちらかに分類されることになりますが、メリハリの効いた支出というのは、消費に近い支出をできるだけ少なくし、投資に近い支出をできるだけ多くすることを意味しています。

消費というのは、何らかの「効用」を求めてお金を支出することを指しています。効用というのは経済学用語なので少し抽象的ですが、分かりやすく言うと「満足」を求めてお金を払うことです。スナック菓子を買えば、それを食べたいという気持ちを満たすことができますから、スナック菓子への支出は、自身を満足させるためのものと解釈できます。

すべてのものがそうではありませんが、たいていはモノを買えばすぐに満足感を得られますので、消費というのは「今」という時間軸でお金を使うことと言い換えてもよいでしょう。

一方、投資というのは満足を求めて支出するものではありません。投資というと、株式投資などを思い浮かべる人が多いと思いますが、経済学で言うところの投資は違います。

 
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