アイドルグループ「嵐」が2020年末での活動休止を発表しました。このところ芸能界では安室奈美恵さんの引退など、トップスターでありながら引退や解散などを表明するケースが増えています。直接的な理由はそれぞれかもしれませんが、共通しているのは40歳前後という年齢の節目です。

 

嵐のメンバーは皆、30代半ばから後半、活動休止のきっかけになったともいわれるリーダーの大野智さんは38歳ですから40歳目前です。安室奈美恵さんは41歳でした。

それぞれに個人的な事情があると思いますが、これだけ多くのトップスターが同じタイミングで引退もしくは活動休止を表明するというのは、時代の変化と密接に関係している可能性が高いでしょう。

平成も最後の年となりましたが、基本的に同じ価値観が続いてきた昭和・平成時代とは異なり、今後の日本社会が大きく変貌することは、誰もが感じ取っているリアルな感覚だと思います。

同時に、日本は世界でもトッププラスの長寿国家ですから、多くの人が80代から90代まで生き続けることになります。かつての40代であれば、そろそろ老後を考えるという年齢ですが、今の40代は大きく環境が異なります。老後というよりも、長い人生の後半をどう生きていくのか、選択を迫られるのが40代といってよいでしょう。

今、40歳前後の年齢に達している人は、これまでにない時代の変化に直面しており、先行きが見通せない中、今後の人生戦略を立て直す必要があるわけです。

嵐も安室さんも、今のまま活動を続けていれば、それなりの人気が続き、しばらくの間、高収入を維持できるのはほぼ確実です。その意味では、今、辞めてしまうのは経済的には非常にもったいないことのように思えます。しかし彼等が90歳まで元気でいられる可能性が高いということになると、話は変わってくるでしょう。

芸能人として活動を続けるにしても、残りの長い人生を自分らしく生きるためには、少なくとも、今と同じままではいけないと考えても不思議はありません。十分な実績があり、ある程度の経済的余裕がある現時点であれば、次の戦略を立てるために多少のブランクが生じても、それほど大きなマイナスにはならないはずです。

 
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