離婚はしたものの、「やっぱり離婚しなければ良かった」という後悔には襲われたくありませんよね。気持ちがスッキリする離婚の仕方とは? また後々後悔しやすい離婚のパターンとは? 離婚問題専門の弁護士・原口未緒さんに伺いました。

 

やまりんさんからの質問

Q. 離婚後、不安や後悔の気持ちが襲ってこないか
事前に分かる方法があったら教えてください。
 


8年間、夫のギャンブル依存、借金、DV、浮気で悩み続け、専門機関、精神科、弁護士さんのお話を伺い実践してまいりました。ある日、何でこんなに振り回されているんだろう?と痛感し、夫への気持ちが一瞬で冷めました。どこが好きだったかも思い出せません。今、離婚準備中です。一気に冷めて離婚へ動いていますが、離婚後に後悔の気持ちがわいてこないものなのか知りたいです。小学生の子どもがいますが、子どもは「早く離婚して」と言ってます。(38歳)


弁護士 原口未緒さんの回答

A. 夫から離婚を切り出される前に、自分で決めましょう。
でないと後悔がより大きくなってしまうと思います。


おそらくやまりんさんは“決めること”が苦手な性分でいらっしゃるのではないでしょうか。それだけに、離婚を決めた後も「これで良かったのか」と後悔しそうで不安になられているのではないかと……。

 

離婚には様々な決断が必要です。が、何事もなかなか決められず離婚協議が前に進まない、という相談者は多くいらっしゃいます。私の母も離婚をしているのですが、実はその“決められない”の典型的な離婚事例でした。私の母は、父の女性関係が理由で父のほうが家を出てしまったのですが、離婚の決断ができず、多くの人に相談をして、有効なアドバイスもたくさんいただいていました。それでも自分からは離婚を決められなかったのです。結果、浮気をした父のほうから離婚を切り出されることに……。

しかし母は離婚調停でも決心がつかず、最終的に裁判にまでなってしまいました。それでも落としどころを決められず、最後は母の兄と弁護士が「ここがベストな落としどころだろう」と決めた次第です。そして母は、「あの選択をしなければ良かった」とか「浮気相手の女性に慰謝料請求すれば良かった」などと、離婚から15年くらい経つ今も悔やみ続けています。

やまりんさんもこのまま決めかねていると、もしかしたら先に夫から離婚を切り出されてしまうかもしれません。恋愛と同じで、相手から関係を切られてしまうと後悔が残りやすいですから、是非、そうなる前に自分から行動をされてください。その際も、慰謝料は最大限請求する、今までの不満も全部言うなど、とにかく自分がやれることはできる限りやってしまうのが、後悔が少なくなる秘訣だと思います。

でも本当に一番良いのは、今の夫より素敵な相手を見つけられることだと思うのです。後悔が襲ってこないか不安になるのは、不安要因があるから。ではそれは何かというと、おそらく経済的不安と、寂しくならないかという不安、この2つではないかと思うのですね。ならば経済力がある優しい相手と再婚すれば、後悔も起きようがありません。やまりんさんはまだ38歳と、大変お若い。後悔を心配するより、もっと幸せになる未来を考えましょうよ!
 

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PROFILE
  • 原口未緒(はらぐちみお)1975年生まれ。弁護士。学習院大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。民事、商事、家事、刑事、倒産処理、債務整理など様々な案件を担当した後、2010年に「未緒法律事務所」を開所。夫婦、離婚案件を主に扱っている。法的な解決策を提案するだけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー手法を取り入れ、「心のケアもする弁護士」として人気がある。著書に『「この結婚もうムリ」と思ったら読む本 こじらせない離婚』(ダイヤモンド社)がある。自身は3度の離婚を経て、現在4度目の結婚をし、第一子をもうける。 この人の回答一覧を見る
  • 山本奈緒子(やまもとなおこ)1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
 取材・文/山本奈緒子

 

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