そうは言っても、仕事をやめるわけにはいかないでしょう。そうなるとできることというのは、不規則な中でも規則性を持つ、ということになります。たとえば14時までの勤務のときは◯時までに寝る、22時までの勤務のときは◯時までに寝る、あるいはそれぞれ◯時に起きる、といったように、そのパターンパターンでの規則性を確立されるのが、体のためにできるせめてものことだと思います。
また、眠りのために「これだけはしない」とか「これだけはする」ということも決めて守るようにしてください。シフト制勤務の場合、どうしても生活リズムは一定ではありませんから、眠りの質は下がってしまうでしょう。それでも「ベッドにスマホを持ち込まない」とか、「寝る前に食べない」とか、不規則な中でも、できることをやっていってほしいと思います。
そのとき大事なことは、無理をしないことです。たとえば、お風呂に入ってから寝ると、いったん体温が上がってから下がるのでよく眠れる、ということが言われています。たしかにその通りなのですが、だからといって無理をしてお風呂に入ってから寝る、といった頑張りは逆にしないほうがいいのです。それよりも、しんどかったらそのままバタンキューで寝ていい。朝ご飯を食べたほうが、体がリセットされて良いと言われるけれど、不規則な生活だと朝は食欲がなくてもおかしくありません。そんなときは無理して食べなくてもいい。つまり、“手を抜くところをきちんと決めておく”ということが大事になってくると思います。そもそも普通ではない生活リズムで暮らしているわけですから、普通の健康常識をある意味で外さないといけないのです。
45歳でわざわざ転職をされたとのことですから、やりたくて選ばれた仕事なのだと思います。仕事を変えるわけにはいかないと思いますから、せめてもの規則性を作ることで、健康に働いていただけたらと思います。
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- 松村圭子(まつむらけいこ)1969年生まれ。広島大学医学部卒業。広島大学産婦人科学教室入局後、2010年に成城松村クリニックを開業。「女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニック」を目指して、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療をおこなっている。また『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『女性ホルモンを整えるキレイごはん』(青春出版社)など著書も多数。 この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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