そんな「金属バット」の2人に直撃!


彼らを起用したのは、テレビ朝日の高橋プロデューサー。「ものすごく面白くて、お笑いファンの間で人気がある。世間に見つかるのも時間の問題だと思ったので、彼らが主役の番組をいち早く作れたらラッキーだなと思い、半ばダメ元で声をかけました」。するとすんなりOKが出て、3月のある日、朝から晩まで丸1日をかけて約15本分の収録を行った。その日のことを金属バットに直撃すると。

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インタビュー中の金属バット「撮影場所には目隠しで連れていかれた」。

小林「こんなに素晴らしい番組に呼んでいただけるとは思っていなかったので、すぐ親に報告しました。『ついに天下を取りました』って」
友保「情報番組って聞いてたんで、頭に政治経済とか叩き込んでいきましたよ。遺憾なく発揮できてよかったです」
小林「当日は何も聞かされず、目隠しで連れて行かれたので、よくわからないまま進んでました。いわゆる監禁ですよね」
友保「猫カフェがおもろなかったんですよ。マジで。シンプルにおもんない。餌もってったらぶわーって集まってくるんですよ。ボラみたいできしょかったっす(笑)」
小林「こんなこと言いながら友保は猫好きの猫カフェ好きなんで、口ではおもんない言いながら、デレデレ照れてて楽しかったです」
友保「マジおもんないてー(笑)」

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2人のやりとりをほぼノーカットで放送する『金属バットもういっちょ』(2019年4月6日より毎週土曜日に配信中)より。

インタビューでも、番組内でのやりとりそのまんま。質問に対して本当のことはまったく答えず、2人で顔を見合わせて笑い合う。高橋Pは、2人のこういう自由なやりとりを現場では邪魔せず、編集でも最低限しか加工せず、そのままパッケージにすることを心がけており、コンプライアンス的に引っかかる部分以外は、ほぼノーカットで使用しているそう。その動画にぶらさがる意見がバラバラな視聴者コメントも、彼らの魅力と引き出しの多彩さを裏付ける。「動物の殺処分問題」では猫カフェで猫と戯れ、「キャラおにぎりが人気」というニュースではキャラおにぎり作りに励み、移動中の車内では「改元」や「東京五輪」など時事ネタについて語り合う。どんなシチュエーションにも対応しながら、結局は金属バットのしゃべくりが堪能できる『金属バットもういっちょ』。そのなかから、mi-mollet読者にオススメを聞いた。

 

友保「もう全部おすすめですよ」
小林「強いて言えば、毎回最後の『チャンネル登録お願いします』の告知部分だけ見てもらえたら」
友保「そうやな。大切なのは内容どうこうじゃないもんな。ただただ登録者数が増えて、再生回数が増えてほしいんで、がちゃがちゃ言わんと、黙って全部見てください(笑)」
小林「僕はフラッシュバックで見てます(笑)」
友保「大阪は映らないんですよ」
小林「ネット環境がまだないねんな、大阪は」
高橋P「でも、友保さんはTwitterで必ずっていうほど告知してくださるんですよ」
友保「そうなんです。お金になるって聞いたんで(笑)」

『金属バットもういっちょ』は当初、今回の配信で完結する予定だったが、数字も評判も良好なため、制作側はシーズン2も視野に入れているという。もしも実現した場合にやりたいことを聞くと、友保は「サーフィン」、小林は「うなぎ食べる」と答えつつ、表情をクッと引き締める。

小林「次の収録にはボイスレコーダーを忍ばせていきたいと思います」
友保「前回は車んなかで、アクセルだけ踏みながら『お前らがやらないとブレーキふまへんぞ』と言われたんでね。証拠を残しておかないと。次はもう殴らんといてください(笑)」
小林「最悪、殴るのはいいとして、殴るときに笑顔なんがイヤです(笑)」

ボケと笑いにあふれたインタビューの最後に聞いた。なぜ彼らはお笑いという仕事を続けるのか。

小林「子供を笑顔にするのが僕らの使命です」
友保「そのためにお笑いやってます」
小林「でも、『金属バットもういっちょ』では子供を笑顔にはできないとは思います」
友保「んふふふふ」

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息を吐くように嘘とボケを重ねて笑いをつくる高校の同級生

『金属バットもういっちょ』の新規配信は残すところあとわずか。第1回からすべてアーカイブされており、気軽に見られる10分程度のものが中心なので、ちょっとした息抜きにぴったりだ。2019年のM-1グランプリでも優勝候補に名前が挙がっている金属バットに、今から注目しても遅くはないと思いますよ!

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YouTubeチャンネル「もういっちょTV」
「金属バットもういっちょ」は、毎週土曜配信(予定)

ライター 須永 貴子
2019年の年女。群馬で生まれ育ち、大学進学を機に上京。いくつかの職を転々とした後にライターとなり、俳優、アイドル、芸人、スタッフなどへのインタビューや作品レビューなどを執筆して早20年。近年はホラーやミステリー、サスペンスを偏愛する傾向にあり。

構成/榎本明日香、片岡千晶(編集部)

 

前回記事「樹木希林が生前唯一企画した映画に「62歳女詐欺師の人生」を選んだ理由」はこちら>>

著者一覧
 
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映画ライター 細谷 美香
1972年生まれ。情報誌の編集者を経て、フリーライターに。『Marisol』(集英社)『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)をはじめとする女性誌や毎日新聞などを中心に、映画紹介やインタビューを担当しています。

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文筆家 長谷川 町蔵
1968年生まれ。東京都町田市出身。アメリカの映画や音楽の紹介、小説執筆まで色々やっているライター。著書に『サ・ン・ト・ランド サウンドトラックで観る映画』(洋泉社)、『聴くシネマ×観るロック』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、共著に『ヤング・アダルトU.S.A.』(DU BOOKS)、『文化系のためのヒップホップ入門12』(アルテスパブリッシング)など。

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ライター 横川 良明
1983年生まれ。大阪府出身。テレビドラマから映画、演劇までエンタメに関するインタビュー、コラムを幅広く手がける。人生で最も強く影響を受けた作品は、テレビドラマ『未成年』。

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メディアジャーナリスト 長谷川 朋子
1975年生まれ。国内外のドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー番組制作事情を解説する記事多数執筆。カンヌのテレビ見本市に年2回10年ほど足しげく通いつつ、ふだんは猫と娘とひっそり暮らしてます。

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ライター 須永 貴子
2019年の年女。群馬で生まれ育ち、大学進学を機に上京。いくつかの職を転々とした後にライターとなり、俳優、アイドル、芸人、スタッフなどへのインタビューや作品レビューなどを執筆して早20年。近年はホラーやミステリー、サスペンスを偏愛する傾向にあり。

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ライター 西澤 千央
1976年生まれ。文春オンライン、Quick Japan、日刊サイゾーなどで執筆。ベイスターズとビールとねこがすき。

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ライター・編集者 小泉なつみ
1983年生まれ、東京都出身。TV番組制作会社、映画系出版社を経てフリーランス。好きな言葉は「タイムセール」「生(ビール)」。

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ライター 木俣 冬
テレビドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書に、講談社現代新書『みんなの朝ドラ』をはじめ、『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』ほか。企画、構成した本に、蜷川幸雄『身体的物語論』など。『隣の家族は青く見える』『コンフィデンスマンJP』『連続テレビ小説 なつぞら上』などドラマや映画のノベライズも多数手がける。エキレビ!で毎日朝ドラレビューを休まず連載中。

 
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