そしてもう一つ指摘させていただきたいのは、変化したのは友人だけでなくyacosoさん自身もである、ということです。自分自身も変わっていっているのですよ。
ならば、新たに合う人を探しに行けばいいだけのこと。人というのは常に変わっていくものですから、自分も友人も変化していくのは当然のことなのです。いろんな人と出会い、合わなければまた新たな人に出会いに行けばいい。「そんな次々乗り替えていくようなこと……」と思うかもしれませんが、時間は有限ですから、合わない人に執着する必要は、私はないと思っています。何より、血縁は選べないけど友達は選べるんですから。yacosoさんが望めば、きっと「合う」と感じられる友人に出会えるはずです。
ただ、正直に言いますと「親友」というのはそんなに多くはできないものです。私は、親友というのは、自分が死ぬときにそばにいてもOKな人、だと思っています。どんなに一緒にいて面白くて楽しい人でも、自分が死ぬときそばにいてもOKかというと、それはまた違ったりしますよね。ぜひ一度、そんな視点でも考えてみていただけますか。そして、その一面にフォーカスして合う人を探しに行けば、なかなか出会うのは難しいでしょうが、でも深いところで「合う人」も見つけやすいのではないかと思います。
ちなみに私には、そういう意味での親友は2人います。でもその2人に、自分のすべてをさらけ出しているかといったら、そういうわけでもないのです。
もしかしたらyacosoさんに見えていないだけで、もう親友はいらっしゃるのかもしれません。私にもそういう経験はあります。夫の葬儀のときに地元の友人が会いに来てくれて、夫には会ったことがないのに我が事のように泣いてくれて、その姿に心を大きく動かされましたし癒されました。もちろん、そのように来てくれる友もいれば、相手が助けを求めてくるまで待つ友もいます。私にはそのどちらも大切な友人です。自分が望めばそういう友が見えてくるでしょうし、探しに行けば見つかるとも思います。ですから「子どもがいないから」と自分で自分にレッテルなど貼らず、どうか心を開いていってくださいね。
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- 金子稚子(かねこわかこ)1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。 この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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