日本語版から合わせると10年以上演じているのが『CHICAGO』のロキシー。この舞台に“恋に落ちた”米倉涼子、3度目のブロードウェイの舞台へー。

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初めての舞台では涙、7年越しの初日終演後は笑顔で 

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2019年7月1日、ブロードウェイのアンバサダー劇場。米倉涼子が3度目の主演を務める舞台の幕が下りた後、“Welcome back”と共演者から温かい拍手で迎えられた。その姿はもはやゲストではなく、『CHICAGO』カンパニーの一員。 瞳に涙はなく、清々しい笑みに溢れていた。思い返せば7年前。「この役を演じるために、生まれてきたんじゃないかと思うことがあります」と日本人で初めてのブロードウェイの主演が決まった時の記者会見で、ポロポロと涙をこぼした。

ただ、ブロードウェイ流の稽古や常識、英語の壁、人種による差別は、日本でどんなにキャリアを積んでいようが有名だろうが関係ない。舞台に立つまでのレッスンで幾度となく積み上げてきたものを崩され、悔しさや歯がゆさで涙したことを明かしてくれた。重圧もあっただろう。稽古後「私、本当にひどかったらクビになることもあるのかな?」と不安を吐露したことも。
 

時には悔しい思いも。それでもブロードウェイの舞台に立ち続ける理由

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そしてブロードウェイデビュー初日のカーテンコールでは、涙。そこまでしてこの舞台に挑みたい、立ち続けたい、と願うのはいうなれば「『CHICAGO』 に恋しているから」だと語る。もちろん、一度成就した恋の関係をそのままキープするのは簡単なことではない。 「実は今回、本格的なお稽古をしなければいけない時期に調子が悪くなって、いつもの負けん気が全然出てこなかったんです。アルゼンチン タンゴが好きすぎて、『CHICAGO』に飽きてしまったのかな? と思ったくらい。その後、回復したので、“倦怠期”ではなかったんですけどね (笑)。

「歌もダンスも英語もほぼゼロからのスタートではないですし、覚えるだけで必死だった頃とは違います。とはいえ、今でも英語指導の方に“米ちゃん、ロキシーの気持ちが伝わってこない”と言われることもあるし、今回からダンスを見てくれている同世代のダンサーも、簡単にはOKを出してくれない。もちろん悔しいですよ。でも一生懸命こらえて、乗り越えることで新しい視点が生まれ、ブラッシュアップができるんですよね。 “新しい動きを入れたい”と言えば一緒に考えてくれたり、年齢とともに辛くなってくる身体のことも分かってくれるし、すごく感謝しています。 私にははっきりとものを言ってくれる人が必要で、“大丈夫だよ、頑張って”というだけの人はいらない。『CHICAGO』との出会いは人生で一、二を争う奇跡だから、大事にして長く続けていきたいという思いがあるんです」

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