こんにちは。ミモレの川端です。

先月、平日にぽっかりと一日スケジュールが空いたので、ブックホテル「箱根本箱」へ1泊ひとり旅に行ってきました。

編集部ブログなどで本の紹介を書いていることもあって、初めてお会いした方や久しぶりに会った友人に「本をたくさん読んでいてエライね」「私なんか最近ぜんぜん読んでなくて……」「最後まで読みきれない」などと言われることも多いです。

たいてい少し恥ずかしそうに後ろめたそうにそうおっしゃるけれど、やらなきゃいけないことがたくさんある中で、本を読むどころじゃない時期もあるし、最後まで読みきらなくたっていい、と本当は思っています。

私自身も忙しい日が続いていると、本を開いてもぜんぜん頭に入ってこないことも多く、読み終えられてない本も山積み……。

でも、ハードなスケジュールが続いて、肉体的というより心が疲れているとき(プレッシャーのかかる仕事や、人間関係がうまくいってないときなど……)には、ネットでもテレビでもなく「本」がすごく癒しになってくれます。

そういう時はしっかり「読まない」。ボーっとながめるだけ。本棚から手にとってパラパラとめくったり、部分的に読んだり。そうすると「この料理作ろう」とか「何か買いに出かけようかな」とか「あの映画観たかったんだった」とか前向きな気持ちがムクムクと蘇ってくることが。

そんな気持ちが弱っている時の私のおすすめ読書法をご紹介します。
 

1.絵本を見る


子どもの頃に読んだ名作絵本など、今読み返してみると、そんな深い哲学的な話だったのか〜、とか怖い話だなあとか気づきがあって面白いです。意外と泣けたりとか……本当に心が弱っている時は要注意ですが(!)

箱根本箱には「星の王子さま」はじめ名作絵本もずらり。あらためて読むと欲しくなってしまいますね。

 

2.ビジュアル本を見る


料理本とか旅行ガイドもいいですし、建築やデザインの本とか美しい本もいいですが、「廃墟ガイド」みたいなブラックな本でも。どっから読み始めてもいい、ってところがポイントです。
 

箱根本箱で読んだのは、『美しい廃墟—日本編— 耽美な世界観を表す日本の廃墟たち』『ダークツーリズム入門 日本と世界の「負の遺産」を巡礼する旅』。ブラックバタな一面が(汗)。ビジュアル本は高くて重いのでなかなかたくさん買えないから、箱根本箱みたいなところや図書館でパラパラたくさんみられるのは嬉しいですね。

 

3.カバーを外してみる


私のマニアックなおすすめは、家にある本のカバーを剥がしてみること。一般的に「本の表紙」と呼んでいるのはカバーのことで、それを外すと中から本当の「表紙」が出てきます。ぜんぜん違うものもあれば、同じ場合もありますね。

大好きな詩人・最果タヒさんの本はどれも装丁が素敵です。
外すと中は水玉だけ。文字が何もなくてクッキー缶みたい。可愛い!

ミステリー作品なんかだと、カバー外した表紙には事件解決の鍵となるモチーフが描かれていたり、ネタバラしなこともあるんですよね。カバーはどちらかというと買ってもらうためのお化粧。本当の表紙に、著者の作品性が込められていることが。お家にある本をまたあらためて好きになるかもしれません。

私が泊まったお部屋には、ブックディレクターの幅允孝さんの本『本なんて読まなくたっていいのだけれど、』がちょうど置いてありました。

そこには、「好い音楽を聴くとご飯が美味しくなる 好い本を読むと眠りが深くなる」と書いてありました。おっしゃる通り。読まなくても、パラパラと見るだけでも、ぐっすり深く眠れました。


小学4年生の時の担任に先生に言われて、今でもよく思い出す言葉があります。

「大人になるっていうのは、自分で自分の機嫌を直せるようになるってことよ」って。

なんでそんな話になったのか、先生と私と二人きりだったのか、クラス全員に言ったのか、状況はよく思い出せませんが。当時、私は歳の離れた弟が生まれたばかりで、突然の“大人扱い”に戸惑いながらも大人になろうと意識してたんだと思います。

自分の機嫌を直せるリペア方法をいくつ持っておけるか、それが「いろいろあっても私、大丈夫」と思える自分への信頼だなあと今また思うこの頃です。

皆さんのリペア法は何でしょうか。

撮影・文/川端里恵(編集部)