【効率のよい歯の磨き方】歯ブラシ&歯磨き粉&ケア法の正解
Q3.歯磨き粉は使った方が良い?悪い?量は?
結論から言えば「YES」、使った方が良いです。
歯磨き粉の成分には、虫歯や歯周病予防、知覚過敏、ホワイトニング効果などさまざまなものがありますが、低研磨、低発砲、フッ素入り(995ppm以上のもの)をおすすめします。ご自身で判断するのが難しい場合、歯科医院専売品を選ばれると良いでしょう。
また、歯磨き粉を使用する際のポイントは、米粒程度でよいのであまり多く量をつけすぎず、軽くゆすぐようにしましょう。
Q4.デンタルフロス、正しく使えていますか?
デンタルフロスと歯ブラシの二刀流でケアしている人も増えてきました。デンタルフロスは歯ブラシでは行き届かない歯と歯の間に詰まった食べかすを取り除く有効なケア法でもあります。虫歯の早期発見はもちろん、口臭予防もできます。
ですが、フロスを正しく使えている人が思った以上に少ないのも事実。歯間にただ通すだけではNGです。通した後、左右の歯・歯茎の根元までこするようにして食べかすやプラークをしっかり取り除くことが大事です。
フロス上級者は器用に糸を操りますが、上手に使えないという方はフロスとピック(楊枝)が一体化したホルダータイプのものを使うと良いでしょう。
また、「フロスは歯磨きの前後、どちらが良いのでしょうか?」という質問を受けますが、歯科医師によっておすすめの順番が異なるため、こうでなければならないという決まりは特にはありません。「フロスを使用した後に歯ブラシをする方が効率的だ」という学会報告はありますが、お好きなほうでケアしていただいて構いませんよ。
Q5.電動歯ブラシのメリット・デメリットを教えて
最近では、患者さんの中でも電動歯ブラシを使用している人が増えています。回転、振動、超音波など種類も仕様に合わせて選ぶことができるため、歯ブラシから電動歯ブラシへ切り替えている人が増えているのではないでしょうか。
ですが、フロス同様に使いこなせている人が少ないのも事実。さらに電動歯ブラシにおいて言えば、向いている人・向いていない人もいるのです。
ここでは電動歯ブラシのメリット・デメリットから、向き・不向きのポイントを紹介しましょう。
●電動歯ブラシのメリット・デメリット
<メリット>
・左右に手を動かさなくても当てるだけで歯が磨けるという楽チンさ
・短時間で磨ける
・電動回数の多さ(手で磨くよりしっかり磨ける)
<デメリット>
・正しい使い方をしないと磨き残しが出る
・刺激が強い(強く押さえていると表面に傷ができる)
・細かなところが磨けない
<電動歯ブラシが向いている人>
歯ブラシが苦手な人、歯並びがしっかりしている人、美容意識が高い人
<電動歯ブラシが向いていない人>
使用方法を守らない人、力を入れすぎてしまう人、歯並びが悪い・または治療を行っている人、電動歯ブラシが重いと感じる人、電動歯ブラシのケアが面倒な人
フロスと電動歯ブラシのダブル使いは、虫歯や歯周病、口臭予防にも有効に作用しますが、電動歯ブラシの使用法を守ることが大前提。今、使っている人も正しい使い方をしているか否かの見直しを、電動歯ブラシの使用を考えている人は上記の内容を目安に試してみることをおすすめします。
これまで歯ブラシの選び方、方法、歯磨き粉、デンンタルフロス、電動歯ブラシについてさまざまなお話をさせていただきましたが、ご自身でできるデンタルケアで一番重要なのは「歯を磨く」ということです。今回お話させていただいた内容を少しでも参考にしていただけたら幸いです。
構成/片岡千晶(編集部)
(この記事は2019年10月18日に掲載されたものです)
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武藤昌文先生
医療法人社団・歯科むとうの院長。1977年日本歯科大学卒業後、歯科医院に勤務し、87年に歯科室むとうを開業。「出来るだけ歯を抜かず、患者さん本来の歯を保存的に治療する」方針は地元住民を始め、他県から治療に通う患者がいるほど人気が高い。地域医療にも貢献し、今年で病院開業31年目を迎える。