どんなことばを口や心から出していますか?
わたしたちのことばは、
とてもよいこともできれば、
非常に悪いこともできます。
癒すこともできれば、
傷つけることもできます。
励ますこともできれば、
失望させることもできます。
……大切なことは、何が入るかではなく、
何が口や心から出るかです
(2014年7月13日、サンピエトロ広場にて)
訪日最後の11月26日、教皇フランシスコは上智大学を訪れて学生たち700人の前でこう話されました。
「格差や隔たりを減らす必要があります。貧しい人たちのことを忘れてはなりません」
そして、格差によって教育を受ける権利が阻害されてはならないとも訴えました。上智大学は、教皇フランシスコの所属するイエズス会によって設立された大学です。教皇のことばは、きっと多くの学生の心に届いたことでしょう。
教皇フランシスコは、このように話されました。
「主がご自分のことばと愛という種をつねに蒔いておられる土地はわたしたちです。わたしたちはどんな気持ちでその種を受け入れるのでしょうか。
そして、わたしたちは自分自身に問いかけます。
自分はどんな心をしているだろうか。どの土地に似ているだろうか。道端、石だらけの土地、それとも茨の間の土地だろうか。
とげも石もなく、しっかりと開拓され耕されたよい土地になり、自分だけでなく兄弟姉妹にもよい結果をもたらすことができるかどうかは、わたしたち自身にかかっています。わたしたちは、種を蒔く人でもあります。このことを忘れないようにしましょう。
神はよい種を蒔かれます。わたしたちは、どんな種が自分の心や口から出ているのか自らに問わなければなりません。……大切なことは、何が入るかではなく、何が口から出るかです。このことを覚えておいてください」
『ローマ法王の言葉』
講談社 価格 1500円(税別)
ローマ教皇フランシスコの数々の講話やミサから、キリスト教信者はもとより、一般の人々にもわかりやすく心に残る言葉を集めました。庶民出身の法王の言葉は、日常生活に基づいたもの。「家族」「愛」「ゆるし」「喜び」に加え、未来を担う「子どもと若者」たちへのメッセージがいっぱい詰まったこの本は、きっといつまでも手元におきたくなり、明日への糧となることでしょう。
構成/片岡千晶(編集部)
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