ミモレ公式コミュニティ〔ミモレ編集室〕には、すでに100を超えるメンバーブログがアップされています。暮らしのお役立ちTIPSから、ミモレの記事や著者とその方のエピソードや思い入れを綴ったものまで。同じ記事に共鳴した人同士が繋がったり、同世代や同郷の人を見つけたり……記事を通じて新しい輪が繋がっていっています。今日は、編集室メンバーの奏kanaさんのブログをご紹介します。
目線を合わせてもらったら涙がでた(中野円佳さん)
改めてミモレにお礼を言いたいこと。
それは、中野円佳さんに出会わせてくれたことです。
昨年7月頃、ミモレの連載「しばられない生き方へのヒント」を読んで、中野さんのことを知りました。※中野円佳さんは、大学卒業後日本経済新聞社に入社、育休中に立命館大学大学院にて提出した論文をもとに「「育休世代」のジレンマ」を出版。現在はシンガポール在住で、フリーランスジャーナリストをされています。
(経歴は、ミモレ掲載のプロフィールをもとに記載しています。)
その頃ちょうど、職場で昇進し達成感を感じると同時に、「働く私」のあり方に対する疑問が沸点を迎えつつあるのを必死で抑え込もうと奮闘していた私。
内心の葛藤が体調に出たのか、風邪が長引いた挙句咳喘息になり…、会社を頻繁に休んでしまったりしていたのもこの時期です。
私の勤めている企業は、コンサバティブな体質の日本企業です。
社内は所謂「男社会」ですが、それなりに大企業でもあるので、ダイバーシティ推進の取組は国内では比較的進んでいると思われます。
あからさまに性差別的な扱いを受けたことはないですし、仕事の量も質も、同期の男性と違いはないと思います。産休育休制度、ハラスメント防止の為の研修制度もとても充実しています。
でもだからこそ、「誰も私を弱者だと思ってくれない」「傷ついていると思ってくれない」ということに内心とても孤独感を感じていました。
・四大卒(教育水準不悪)
・大企業の正社員(給与水準不悪)
・総合職(業務内容で性差別無し)
こういう女性が、キャリアに悩み、職場でのちょっとした言葉のやり取りに心が引っかかれ、女性特有の体調不良に振り回され、婚活市場でプライドがズタボロになっていたとしても、
「あなたは恵まれている」
「配慮されている(してやっている)のに気付かないのか?」
「私が若い頃はもっとひどかった」
「好きで働いてるんだろ?」
「子供がいなければ男と一緒でしょ?」
という視線が飛んでくるだけ。
世に言う「ダイバーシティ推進」施策の中で、「配慮しなければならない性としての女性」の定義から外れているということを、ひしひしと感じて働いてきました。
そうしている内に、「確かに私は恵まれている。この気持ちは間違いなく被害妄想だ。わがままを言って批判されないように、割り切って明るくしていよう。大事なのは感謝の気持ち!」と自分を洗脳するようになり、「職場で求められるキャラクター」になり切る癖がついてきたのです。
ミモレの記事を読んだのは、ある朝の通勤電車の中でした。
仕事終わりに自宅の最寄駅のスターバックスに駆け込み、Kindleにダウンロードした『「育休世代」のジレンマ』を読み切ったときには、声を押し殺して泣いていました。
初めて、私と目線を合わせてくれる書き手に出会えた、私の気持ちを代弁してくれる人がいた、という思いで胸がいっぱいでした。
それ以来、自分が傷ついていることは素直に認め、不当な扱いや勝手な誤解に対しては、きちんと声をあげようと決めています。
このように、私は中野さんの著書に救われました。そして同時に、我が身を振り返る学びもありました。
長くなってきましたので、次ページに続きます。
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