7月も下旬に入り、パリはますます美しい。
清々しい晴天に恵まれた早朝に、私はこの世で一番美しい街に生きているのだと確信し、心の底から嬉しくなった。
そんな素敵な朝の、素敵なお誘い。
随分年上のムッシューと、パリのシンボルのひとつでもある老舗カフェ、ラ・クーポールでの朝食デート。
お洒落な彼は何を着て来るのだろうか。夏の定番である白の装いだろうな、と想像する。二人で並んだ時に、ちぐはぐなカップルにならないようにね、なんて考えながらクローゼットを開いた。
1927年創業の、老舗中の老舗カフェ。ガイドブックには見開きページで歴史が語られている由緒ある場所であるからにして、きちんと見えも心掛けたい。そしてあくまでも殿方とのデートなのですから、コケットもひと匙忘れずに。早朝なので、あくまでも爽やかに、ですけれど、ね!
私が手に取ったのは、J.Crewのマキシ丈のボーダーワンピースだ。
体にぴったりとフィットするボディコンシャスなデザインは、オーダーメイドのアオザイの様に私の体を美しく見せてくれる。ひざ下あたりから緩やかに、マーメイドラインに切り替わっているという綺麗なパターンは、マキシ丈もおまけして、どこかエレガントさが漂う。
上質なコットン生地は、何度洗ってもくたびれず、アイロンを当てる毎に張りが出る。ボーダー柄の爽やかさと、素材のカジュアルさが、セクシーなデザインを程よく中和してくれるのがとても良い。
袖丈も長めで、手首をあえて出さないのがポイント。少しだけ、かしこまった感じになるから、まさに朝のデートに最適なアイテムだと思った。
そういえば、このワンピースは旅の良き相棒でもあって、丸めてスーツケースの脇に押し込んでおいてもシワにならず、汚れたら丸洗い出来て、旅先では大活躍してくれていた。ラグジュアリーなホテルでの朝食シーンや、朝の街歩きにピタリとはまる、思い出深いワンピースなのだ。
今年の夏は恒例のコートダジュールの海に連れて行ってあげられなくてごめんね。パリ市内だけれど、こんな素敵な朝食デートでの出番だって、たまには良いじゃない。テラス席に、とってもとっても似合っているよ。
クラシカルな老舗カフェでの朝食は、パリの喧騒からはほど遠く、どこか異空間。気分だけは、束の間のショートトリップ。愉しもうと思えば、日常生活の中でも気軽に旅に出られるのだ、と感じた今日この頃。
Comment