熾烈を極める東京婚活市場。
その中で「結婚したいのに結婚できない」と嘆く女には、いくつかの共通点があります。
ある行動により自分の市場価値を無駄に下げる女、逆に実態なく価値を上げ過ぎて機会損失している女……。
あなたも自分でも気づかぬうちに「結婚できない女」となっていませんか?
悩める女性200人に徹底取材した結果、
東京に生息する「結婚できない女」の具体的な事例を覗いてみると……。
名前:葵
年齢:33歳
職業:女性ファッション誌のフリーライター
崖っぷちポイント:男性をいつも上から採点している
「33歳の抱負?そんなの、結婚しかないです」
千駄ヶ谷駅近く、少々混み合うカフェのソファ席で葵が自虐的に叫んだ。
アッシュ系のショートボブに赤リップ。そして見るからに高級なレザースカートを着こなす彼女に「結婚」というワードは少々不釣り合いに響く。
葵は複数の雑誌を掛け持ちする売れっ子ライターである。
女子大生時代、キャンパスでスナップ撮影に声をかけられた際、女性誌ライターの仕事に興味を持った。そしてすぐさま自ら企画を考え編集部に持ち込んだというから、驚くべき行動力の持ち主だ。
最初はアルバイトからスタートし、食らいつきながら経験を積んで人脈を獲得。着々と仕事を増やしてここまでやってきたという。
「仕事に邁進してきたことは後悔してません。むしろ努力してきた自分に誇りを持ってます。だからこそ、付き合う相手はせめて自分と釣り合うレベルの男がいい。別に高望みする気はなく、それくらいは当然だと思っていたんです」
葵はバツが悪そうに言葉を続けた。
「実は先日、マッチングアプリで出会った自動車メーカーの男性とデートしたんです。でもまったく盛り上がりませんでした。まるでこだわりのない服装で現れるし、休みの日は家でずっと寝てるとか言うし……」
ルックスから始まり、彼の言動の一つ一つが減点ポイントだったという。
そして「焼き鳥の棒って、やっぱり尖った方を下にして戻すよね?」というどうでもいい質問をしてきた時点で彼の評価は0点となった。
葵の冷ややかな愛想笑いに相手も気づいたのだろう。西麻布の高級焼き鳥店を出た後、2軒目に誘われることはなかった。
「誘われずにほっとしましたが、誘われなければ誘われないで、それもまたモヤモヤして......」
どうして、私には良い出会いがないんだろう。
どうして、冴えない男とばかり出会うんだろう。
その夜、疲れ切って帰宅した葵はふと放置したままの本があることを思い出した。
『女の人生に役立つ名言集』
33歳の誕生日に、既婚の女友達がジョー マローンのボディクリームとともに手渡してくれたものだ。
導かれるように表紙をめくる。そのまま何気なく読み進めていた葵だったが、あるページで思わず息が止まってしまった。
「ショックでした……頭に冷や水をかけられたかのようで」
葵が目にした『名言』。その衝撃の内容に、
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