家族の集合場所は「青空リビング」


「コンパクトな家へ引っ越すときに心配だったのは、家族や仲間が集まりにくくなることでした。私たちには、子どもが3人、孫が4人いて、配偶者を入れると10人以上の大所帯。みんなで集まるには、それなりの広さが必要だと思っていました。

ところが、やればなんとかなるもので、行事のときはレストランに行ったり、仕事場を使ったりすればいいですし、普段の集まりは、近くを流れる川沿いでピクニックをすると、孫たちは大よろこび。そんなときに先ほど紹介したハンバーガーも、手軽にみんなで楽しめる1品です」(藤野さん)。

暮らしをコンパクトにしてから、ふらりとお散歩したりお弁当を持って外でランチしたりすることも増えました。

「外は大声を出しても叱られないし、自由に走り回ることができますから、孫たちにはもってこいの場所、わが家の青空リビングです。毎回、来ると『今日は外で食べる?』と聞いてきます。こんな楽しみ方もあるのです。

 

手の込んだものは作らなくても、卵焼きやソーセージ、唐揚げや枝豆などをお弁当箱に詰めて外に出るだけで、とても気分がウキウキとします。普通のおかずもお弁当マジックで特別なものに見えるのです。

料理が足りないときは買ってきてもいいですし、『自宅に全員が集まる』『全部、手料理でもてなす』という縛りをなくせば、いろいろなやり方で集まることができますのでおすすめです」(藤野さん)。

『60過ぎたらコンパクトに暮らす』
著 藤野嘉子 講談社

60歳という節目に暮らしを思い切り小さくした著者の、自分らしい日常の選び方やお金の使い方、楽しい時間の過ごし方とは。気持ちが軽くなる衣食住を軽快なエッセイと写真で紹介。いつでも自分の人生を楽しくするヒントが満載の一冊です。


文/庄山陽子
構成/片岡千晶(編集部)

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