中学2年で将棋のプロ入りをした藤井聡太棋士。今年20年4月に史上初の竜王戦ランキング戦4期連続優勝、7月には棋聖、8月には王位を獲得。史上最年少の高校3年生でのタイトル2冠達成は、コロナ禍で自粛ムードの世の中に明るいニュースをもたらしました。

 

天才棋士の名をほしいままにする藤井聡太さんは、どんな子ども時代を送ったのでしょう?
幼稚園のころ、藤井さんはモンテッソーリ教育を受けていたといいます。モンテッソーリ教育とは、100年以上も前に、イタリアで初めて女性の医学博士となったマリア・モンテッソーリが発見した、革新的なメソッドです。

グーグル創始者のサーゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、英国王室のウィリアム王子や長男のジョージ王子などもモンテッソーリ教育を受けています。天才児や成功者を生み出す教育と思われがちですが、実はどの子どもにもあてはまり、毎日の子育てに活かせる方法がたくさんあるのです。

今年はコロナ禍で、どのご家庭も子育てに悩まれたことと思います。
このような環境の変化の中で、モンテッソーリ教育を受けた子どもたちはどう過ごしたのでしょうか?モンテッソーリで子育て支援を続けている田中昌子さん(エンジェルズハウス研究所所長)に伺いました。

まずは、ネットサイト「子育て相談 モンテッソーリで考えよう!」(講談社絵本通信)に寄せられた実例をご紹介しましょう。

 


実例① 子どもたちが協力してランチづくり

 

学校が急に休校となり、長男(小6)と次男(小2)が自宅待機となりました。
休み中の過ごし方をどうするか話し合ったとき、長男が、
「お昼ご飯は用意しなくていいよ。自分たちで作ってみるから」
と言うので、やってもらうことにしました。

サッカー三昧の忙しい日々から一転して自由な時間が増えた息子たち。でも、時間を持て余し気味だったのも事実……。そんななか、子どもたち2人だけで話し合いながら、家事、勉強、遊びと計画的に決めて生活していたのです!

そんな姿を見て、「モンテッソーリ教育を受けた子どもの特徴なのかな」と感じ、うれしく思っています。


実例② クックパットで美味しいレシピを探すのが得意!


娘(小6)は2月末に休校になってからずっと、平日は毎日、主人と私のお弁当と夕食を作ってくれました。
献立は私と一緒に考えることもありますし、娘が食べたいもの、作りたいものになることもあります。クックパットで美味しそうなレシピを探すのも得意です。
私より段取りも手際もよく、手間を惜しまないでていねいに作るのです。

コロナ禍のようなときだからこそ、大人も子どもも、自分に何ができるかを考えて、自分で方法を選び、自分から行動することが求められていると思います。自分で選択して、自分で行動し、学ぶ。まさにモンテッソーリ教育そのものです。

「モンテッソーリ教育をしていると、後で楽になる」と勉強会で言われていましたが、本当にそうでした。
なにしろ仕事から疲れて帰ってきたら、温かい夕食ができているのですから!
こんなにうれしいことってありません。

子どもは「お仕事」をするのが幸せ

 

どの子も家族のために料理をすることに、喜びと幸せを感じていましたね。
子どもは「お仕事」をすることが大好きです。大人が考える「お仕事」とは、労働といったイメージでしょうか。でも、子どもたちの「お仕事」は労働とは違います。

子どもの「お仕事」には、「自分からやりたくなる3つの心」があるのです。

「やりたくて仕方がない!」「もっとくり返したい!」「くり返すから面白い!」

この3つがそろったとき、子どもたちは自分から進んで何かに取り組むようになります。

そしてその結果、
「みんなの役に立ちたい」
という心が育つのです。

もちろん、大人がするのに比べると何倍も時間がかかりますし、うまくできないこともあるでしょう。
しかし、「ひとりでできた!」という自信が「自己肯定感」を高め、「もっとやりたい」という意欲につながっていくのです。

「自分からやりたくなる3つの心」を育むモンテッソーリ教育が、藤井聡太棋士やグーグルの創始者、英国のウィリアム王子だけではなく、どんな方も日々の子育てに活かせる考え方であることがお分かりいただけたと思います。


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『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役たつQ&A 68』
モンテッソーリで子育て支援 エンジェルズハウス研究所所長
田中昌子:著

「なんでうちの子はこうなの。」「子育てがうまくいかない。」――。
幸せな子育てをしたいと思っているのに、なぜかイライラしたり叱りつけてしまったり。まわりに相談できる人も少ないなか、悩みを抱え込んでしまっている方が多いと感じています。

そんな保護者を応援しようと、田中昌子先生が始めたのが、日本初のモンテッソーリIT勉強会「てんしのおうち」です。
自宅でモンテッソーリ教育の理論を学びながら、子育て相談もできる画期的なシステムで、勉強会で学んだ方からは、「子育ての指針ができた。」「ブレなくなった。」という声がたくさん届いています。

この本では、「子育て相談 モンテッソーリで考えよう」に寄せられた質問に加え、モンテッソーリIT勉強会「てんしのおうち」に寄せられた1万5000通もの子育ての悩みの中から、どのご家庭にも役立つ68の質問を選び、お答えしています。

身近な悩みを通して、モンテッソーリ教育の考え方を知れば、今度はご自身で悩みを解決できるようになります。さあ、今日から、幸せな子育てをはじめてください!
 


田中昌子(たなか・まさこ)

モンテッソーリ子育て支援、エンジェルズハウス研究所所長。国際モンテッソーリ協会(AMI)公認モンテッソーリ教師。上智大学文学部卒。日本初のインターネットを利用したモンテッソーリIT勉強会「てんしのおうち」主宰。各地のモンテッソーリ園で保護者向けの講演会を行うほか、カルチャーセンターの講師をつとめる。著書に『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』(講談社)、『マンガでやさしくわかるモンテッソーリ教育』(日本能率協会マネジメントセンター)。共著に『お母さんの工夫 モンテッソーリ教育を手掛かりとして』(相良敦子共著、文藝春秋)。監修に『親子で楽しんで、驚くほど身につく! こどもせいかつ百科』(講談社)がある。


構成/高木香織