1.日本一の洗濯屋”洗濯ブラザーズ”が動画で実演!
自宅でニットを型崩れせずに洗う方法
日頃何気なく行っているお洗濯、正しく出来ていますか?洗濯は洗濯機で、ニットやコートはクリーニング店にお任せ……という方も多いのでは?そこで今回は、横浜でクリーニング店を営みながら、全国で「正しい洗濯の方法」を広める活動を行う“洗濯ブラザーズ”の茂木貴史さんに、自宅で出来る洗濯方法を実演して頂きました。第1回は、これから出番の多い「ニット」のお洗濯方法についてうかがいます。
ご協力頂いたのは…「洗濯ブラザーズ」の茂木貴史さん
洗濯ブラザーズ
茂木貴史(長男)、茂木康之(次男)、今井良(三男)の3人で結成し、毎日の洗濯を楽しくハッピーにするための活動をするプロ集団。横浜でクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA(リブレ ヨコハマ)」を経営するかたわら、劇団四季、シルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなど国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行う。オリジナルで開発したナチュラル洗剤も好評で、全国の百貨店、セレクトショップなどでイベントやセミナー、講演を行っている。初の著書に『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム刊)がある。
オリジナル洗剤オンラインショップ/公式サイト:https://sentakulife.com
Q:洗濯タグには「ドライクリーニングにお出しください」と書いてあるカシミヤのニット、自宅で洗えますか?
A:「もちろん、洗えます!ドライクリーニングで汗の汚れは落ちづらいので、ニットは自宅で手洗いするのがおすすめなんです。洗濯タグにあるドライクリーニングの表記は、「ドライクリーニングじゃないとダメ」という意味ではありません。ドライクリーニングに出すか、家で洗うかは自分で決めてください、という意味なんです」
ニットやコートなど、これまでクリーニングに出していた衣類のほとんどは、実は自宅で洗えるのだそう。……って、クリーニング屋さんが言っちゃって良いんですか?!と思いますが、これは皆さんに正しい洗濯方法を知ってほしい、という思いがあるため。一方で、レザーやレーヨンなど水に弱いもの、どうしても落ちないガンコな汚れなどは、プロにお任せしましょう。それでは、ニットの洗濯方法を実演して頂きます。
準備するもの
・洗濯桶
・中性洗剤(今回使用したのはこちらの洗剤)
・前処理スプレー
※お手持ちの洗剤と水を1:1の割合で混ぜて作れます。1週間以内で使い切りましょう。
・洗濯ブラシ(馬毛ブラシがおすすめ!)
・平干し用ネット
1.前処理スプレーを汚れた部分にかけて、洗濯ブラシでたたく
「まずは、ファンデーションが付きやすい首まわりや胸の食べこぼし等、汚れが気になる部分に前処理スプレーをかけ、洗濯ブラシでたたきます。洗剤液を繊維に染みこませるイメージで、こすらずたたくのがポイントです。その後10~15分程放置して、汚れを浮かせます。この前処理が、きちんと汚れを落とすためにはとても大事です」
2.桶に張った水に洗剤を入れ、泡立つまでしっかり混ぜる
「洗剤の量は洗剤の裏に記載されている手洗いの量か、それよりも少なめで、水と洗剤を泡立つまでしっかり混ぜてからニットを入れます。水と洗剤がきちんと混ざっていないと、縮みの原因につながります。また多すぎる洗剤の量はNG。衣類に洗剤が残ると痛みの原因にも」
3.ニットを裏返して押し洗いする
「ニット表面の繊維の毛羽立ちを極力防ぐため、必ず裏返すのがポイントです。ゆっくりと水の中に押入れ、引き上げる、を何度か繰り返します。水の中でゴシゴシこするのはNG。3分程度、優しく押し洗いしてください」
4.ネットに入れて洗濯機で脱水(1分)
「縮みを防止するためにも、ニットは必ず洗濯ネットに入れて洗いましょう。ネットの中で服が動かないように、余っている部分があれば縛ります。ネットが大きすぎるとネットの中で繊維がこすれてしまい、シワや型崩れを防ぐことができません。また小さいネットにぎゅうぎゅうと押し込むと、かえってシワになりやすいので、ジャストサイズか大きめサイズで調整してください。また、軽いものを脱水するとき洗濯槽内で重さのバランスが取れずにすぐに止まってしまうことがあります。そんな時は、乾いたバスタオルを3枚くらい一緒にいれると良いですよ」
5.手洗いですすぎ(1分)→洗濯機で脱水(1分)
「すすぎの際も、生地がこすれないように優しく押し洗いしたら、再び洗濯機で脱水へ。手洗いの場合も、洗濯機で脱水する工程が重要です」
6.平干し用ネットで干す
「ニットはハンガーで干すと伸びてしまうので、平干し用ネットに形をととのえながら干しましょう。紫外線に当たると傷みやすいので、陰干しか部屋干しがおすすめです」
前処理スプレーで、目に見える汚れを“動かす”というひと手間をかけるのがとても大事!なのだそう。冬でも汗をかきやすく、肌に触れる部分が多いニットは、自宅で水洗いできると気持ちよく着られそうですよね。次回はデリケートなシルクの洗濯方法を教えていただきます。
カシミヤニットの洗い方をおさらい!
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『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』
洗濯ブラザーズ 著
ズボラでもちょっとの工夫で臭わない!黄ばまない!アイロンいらず!クレイジーケンバンドやシルク・ドゥ・ソレイユの衣装のクリーニングも担当する洗濯ブラザーズのノウハウを大公開!!
「生乾きの臭い」「黄ばみ」「シワ」「シミ」などの洗濯の悩みは、間違った洗い方で起きているもので、ちょっとした工夫で解消する方法を紹介。また、キレイに洗えるだけではなく、同時に服を傷めず長持ちさせられるのが、洗濯ブラザーズ式・洗濯術の特徴である。この方法なら、9割以上の洗濯物は自宅で洗えて、クリーニング代を大幅に節約することができる。
取材・構成・文/出原杏子
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