「子どもを置き去りにして...」罪悪感を抱え外出した先で、人妻が出会った男 _img0
 

40歳という節目で、女性は自らの生き方を振り返るものではないでしょうか。
 
「こんなはずじゃなかった」と後悔しても過去は変えられず、心も身体も若い頃には戻れない――。

これは立場の異なる二人の女性が人生を見つめ直す物語。

夫のストレスで脱毛症になってしまった美穂は、親友の早希に自分の不遇を悟られまいと必死になっていた。

 

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「子どもを置き去りにして...」罪悪感を抱え外出した先で、人妻が出会った男 スライダー1_1
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「子どもを置き去りにして...」罪悪感を抱え外出した先で、人妻が出会った男 スライダー1_3

「幸せ」を証明したい女


ーー♪♪♪

美穂のスマホの着信音が響くと、夕飯時の食卓に緊張が走った。夫の貴之の顔がたちまち不快に歪む。

「誰だよ。こんな時間に」

「ごめん」

素早くスマホを手に取り音を消そうとしたが、画面に早希の名前が表示されているのに気づくと、美穂はもう一度「ごめん」と断り、そっと通話ボタンを押した。

瞬間、スマホ越しに早希の明るい声が響く。

「美穂、少し話せるかな?」

夫の視線が背中に突き刺さるのを感じながら、静かにリビングを出る。早希は共通の友人である朋子が帰国したため、おかえり会をすると言った。

「今度は美穂にも絶対来て欲しくて。夜が難しければ昼でもいいし……」

親友の気遣いが痛いほど伝わる。きっと先日弱音を吐いてしまった件を気にしているのだ。

「ありがとう。……夜でも大丈夫よ」

美穂は自分に言い聞かせるように答える。もう早希に心配はさせまい。

「え……?夜でもいいの?」

「うん。なんとかする」

そうだ。何とかしなければならない。今度こそ彼女に元気な姿を見せて、何も問題などない、平穏で幸せな日々を送っていることを証明するのだ。

「ママ、ごはんのときは電話ダメだよー」

美穂は電話を切ると、コロッケを頬張りながら口を尖らせる息子にもう一度「ごめんね」と微笑んだ。

【写真】不倫ではない、でも……男と会う人妻
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