【皇室の変革】天皇陛下と雅子さまの「新しいご公務」の模索
コロナ禍での天皇陛下と雅子さまのご公務、今年成人を迎える愛子さま、そして眞子さまのご結婚……。
令和3年を迎え、相変わらず皇室への関心、話題はつきません。
間近で皇室の方たちの素顔を見てきた、皇室担当歴27年のベテラン記者・大久保和夫さんと、コロナ禍での皇室の変化について振り返ります。
コロナ禍で「新たな時代の模索」が始まった
未曽有の災害ともいえるコロナ禍で、多くの行事やイベントが中止や延期になっています。皇室も例外ではありません。
「令和元年、天皇陛下と雅子さまのご活動は即位の礼の儀式が中心でした。令和2年になり、1月2日の一般参賀、歌会始の儀、講書始の儀など皇室の正月の重要な行事が無事に終わって、『さあ、これからいよいよ本格な令和皇室のスタートになる』という矢先に、コロナの感染が広まったのです。
そのため2月23日の天皇陛下のお誕生日に伴う一般参賀もできなくなってしまいました。そして今年も同様で、2年連続の中止となりました」
緊急事態宣言も出されて様々な動きもストップ。自粛が求められる中、天皇陛下と雅子さまも地方へのお出ましがかなわない日々が続きます。
「平成の時代、天皇皇后両陛下が全国各地をあまねく旅することで、『国民とともに歩む』という戦後の象徴天皇としてのスタイルを確立しました。
国民とふれあうことで皇室の存在感を示してきたのにも関わらず、そのふれあいが難しくなったことで、形そのものが変わらざるを得なくなった。
それが昨年の秋から始まった『オンライン行幸啓(ぎょうこうけい)』です」
本来、天皇と皇后がどこかに訪問されることを「行幸啓」といいます。一方、「オンライン」では、その場所に行かずに画像でご覧になる。この相反することを同時に行うわけです。
令和3年の皇室の活動も、コロナ感染が続く限り、これまでの行幸啓の形ではない方法で対応せざるを得ません。コロナ禍は、皇室にとっても変化を迫られるエポックメイキングなことでした。
天皇皇后両陛下、障害者雇用現場にオンラインご訪問 写真/宮内庁提供
一方で、ビデオメッセージで国民に向けたメッセージを発することはありませんでした。一部ではそうしたメッセージを待ち望む声も聞かれましたが、大久保さんはこう振り返ります。
「皇室にとって『新たな時代の模索』が始まったともいえるなか、どこかのタイミングで『コロナに関する国民に向けてのメッセージ』を発してもよかったのではないか、とも思いました」
ではなぜ、なかなか国民にメッセージを出せなかったのでしょう。
「天皇陛下のお立場を考えると、政治的な意味合いを持つような言動は避けたいところ。例えば天皇陛下のメッセージが政治利用されてしまったり、あるいは政府のコロナ対策への批判や評価のように受け取られないようにしなければなりません。
ただ、天皇とはそういう現実的なことよりもっと高いレベルのところで、国民に対するメッセージを発するような存在ではないかと思うんですね。あまり現実的なことを気にされていると、メッセージを発する機会をとらえられなくなってしまいます」
【写真】笑顔、そして涙……天皇皇后両陛下の愛あふれる仲睦まじい姿
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①、② 写真/毎日新聞社/アフロ ③ 写真/JMPA/新潮社
④ 写真/JMPA/光文社 ⑤ 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
⑥ 写真/JMPA/小学館・主婦と生活社 ⑦〜⑭ 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
⑮ 写真/Kyodo News/Getty Images ⑯〜⑳ 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
㉑ 写真/Kyodo News/Getty Images ㉒ 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
㉓ 写真/Kyodo News/Getty Images ㉔〜㉗ 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
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