ミモレの「2020年の人気インタビュー20選」に入るほど、今もなお注目を浴びている小林麻美さんは、1970〜80年代にモデル、女優、歌手として活躍し、37歳で引退。2016年、25年ぶりに復帰後、少しずつ活動を広げています。
年を重ねてもなお、ますます美しく輝く小林さんに、おしゃれの極意をうかがいました。
私服やご自身のオンラインショップ「Asami+」で扱っているアイテムで具体例を挙げていただきながら、3回のシリーズでお届けします。今回のテーマは、気分も華やぐ春色ファッションの着こなしです。
小林麻美
1953年東京都生まれ。1972年「初恋のメロディー」で歌手デビュー後、資生堂、パルコなどのCMが話題に。1984年には松任谷由実がプロデュースした「雨音はショパンの調べ」が大ヒット。1991年、妊娠、結婚を機に引退。25年の時を経て、2016年ファッション誌「クウネル」(マガジンハウス)の表紙で復活し、話題になる。小林さんがアイテムをセレクトするオンラインショップ「Asami+」をオープン。
第1回
【モデル・小林麻美】60代でもカッコよく決まるデニムの着こなし術>>
小林麻美さん流・春のキレイ色のとり入れ方
20代のころから好きなものが変わらず、ワードローブは無地の白、黒、紺が多いという小林麻美さんですが、この春夏はキレイな色に注目しています。
「実は今、下着の色に凝っていて、カラフルな色をそろえています。黒いニットを着るときでも、下着はキレイ色。気持ちのうえでも、やはり色って大事なんです。
以前は赤い下着を着ると気分が上がると話していたのですが、最近のお気に入りはピンクですね。これから春に向かって、下着だけでなく服もピンクなどのキレイな色を着たいと思っています」。
では、キレイ色の服を選ぶときの秘訣は?
「細番手の糸で編んだごく薄手のニットやソフトなシルクなど、肌触りのよいものを選ぶことです」。
上質素材は着心地がよいだけでなく見た目にも美しいもの。ちょっと冒険的な色の服でも、素材にこだわって選べば、大人にふさわしい格上の表情が楽しめます。
普段はシンプルな服を着ることが多い小林さん。ところが、「ときどき『エッ』というものを買ったりするんです」。イヴ・サンローランのびっくりするような柄のブルージャケットや、大胆に花を描いたロシャスのコートなど、ときには思い切ったアイテムを選ぶとか。
「ものすごく派手なものが結構嫌いじゃないんです(笑)。ただ、そういった特別な服を着るときには、デニムなど、いつものアイテムを合わせますね」。
キレイ色の着こなしも同じだといいます。「全体的にキレイな色でまとめるのが難しければ、着慣れている黒の無地の服などと合わせると、失敗が少ないと思いますよ」。
春色というと、やさしい色調の服も気になります。ただ、年齢を重ねると甘おばさんになってしまったり、ほっこりして老け見えしてしまわないかと躊躇してしまいます。
「淡いトーンの服はキレイですが、確かに難しいですよね。おすすめはベルトなどで引き締め効果を狙うこと。本当はほっこりまったり着られたら楽だとは思いますが、自分に厳しくないとダメかなと思って(笑)」。
①ビビッドなピンク
カーディガンは適度にゆとりのあるシルエット。スカートはヴィンテージのリネンにアップリケと手描きで花を表現しています。モヘアカーディガン¥41000/MATRIOCHIKA、ヴィンテージリネンスカート¥39000/Les Briqua Braque(ともにAsami+) アクセサリー、ブーツ/小林さん私物
「このカーディガンのピンクはテンションが上がる色なんです」と、少し襟を抜き、さりげなく袖をたくしあげて着こなす小林さん。「思ったよりもVゾーンの開きが深かったので、下着が見えないように後ろに引っ張りました(笑)」。
ピンクの美しさを活かすとなると、タンクトップを合わせるとしても色に悩みそう。そこをカーディガン自体の着方で切り抜けるのは、さすがの着こなし技です。
スカートは前後に大輪の花をあしらったもので、隠れ大胆好きの面目躍如といった一点。「この組み合わせでは、ニットの色が引き立つように、胸元はノーアクセサリーがおすすめです」。
シャツはオリジナルプリント。パンツは脚をすっきりと見せてくれるシガレットパンツです。ジュエルシャツ¥39000、インディアンシルクパンツ¥39000/MATRIOCHIKA(Asami+) アクセサリー、ブーツ/小林さん私物
「かなり好きなアイテム」というシャツは、やさしいピンク地にマルチカラーのジュエルをちりばめた柄。落ち感のあるシルクのような生地です。
ボトムには光沢のあるピンクのパンツを合わせています。
「考えてみたらゴールドのパンツも好きで(笑)、黒のタートルネックニットとの組み合わせでよく着ているんです。このピンクのパンツも同じように着こなせる一本ですね」。黒の薄手Vネックニットを合わせればこれからの季節に活躍します。「足元はサブリナシューズもおすすめです」。
②まろやかなイエロー
Tシャツは紐をアレンジして3通りに着こなせます。Tシャツもスカートも極細の糸で紡いだなめらかなコットン製。3WAYTシャツ¥15000、ロングギャザースカート¥27000/CASSY PRIVE(Asami+) アクセサリー、ブーツ/小林さん私物
「このイエローは今までトライしたことのない色ですが、春になったら着てみたいと思っています」。一見ワンピースですが、実はトップスとスカートのセットアップ。「上下おそろいで持っていると、それぞれ単品でもさまざまに着こなせるので、便利なんです」。
スカートはウエストベルトがついていて、アクセントに。「上下を合わせて着たときに立体感が出ますし、コーディネート全体が締まって見えます。ベルトをしなくてよいので、面倒くさくないですしね(笑)」。
【写真】ほっこりしないキレイ色の着こなし
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