婚活をテーマにしたドラマがNetflixに登場するや否やヒットを飛ばしています。その名も『ブリジャートン家』。結婚に対するそもそも論に踏み込んだドラマと言えば、日本では圧倒的な人気を誇る『逃げるは恥だが役に立つ』がありますが、Netflixで配信中のそれも見て納得のストーリーで、なおかつムズキュンが用意されています。『グレイズ・アナトミー恋の解剖学』などを代表作に持つ恋愛ドラマの申し子、ションダ・ライムズがプロデュースする艶やか世界観も見逃せません。
ゴシップガール調のナレーションは大御所女優のジュリー・アンドリュース
コロナ禍でロマンス系の人気が再浮上しています。華やかで、甘く、ぐいぐい引き込まれる最新ストーリーを待っていましたとばかりに、世界の8200万ものNetflix会員が28日間で視聴したドラマが『ブリジャートン家』でした。その期間でトップ10入りを果たした国は、ある国を除いてすべて。アメリカ、イギリス、ブラジル、フランス、インド、南アフリカなど83カ国で1位も獲得しています。配信直後にNetflix史上最も高い数字をたたき出したドラマシリーズなのです。
ちなみに、そのある国とは日本です。配信された2020年12月末はちょうど『逃げるは恥だが役に立つ』の特別編前で盛り上がっていた時。同じく婚活市場を描く『ブリジャートン家』はもしかしたらそれに圧倒されてしまったのかもしれませんが、みくりと平匡さんに負けず劣らずのムズキュンを保証します。
由緒正しき良家の雰囲気漂うタイトル通り、物語に登場するのは19世紀初頭のロンドンで優雅に暮らすブリジャートン家8人の兄弟姉妹。主役を飾る長女のダフネ・ブリジャートン(フィービー・ディネヴァー)が結婚第一主義の社交界で自分らしい幸せを掴んでいく話です。このダフネとじれったいロマンスを繰り広げるのがヘイスティングス公爵ことサイモン(レゲ=ジャン・ペイジ)。ある事件をきっかけに、恋人のフリをする密約を結ぶうちに想像通りの展開が待っています。
本筋はある意味、恋愛ドラマの王道でもあるわけですが、『ゴシップガール』調のナレーション付きでスキャンダラスなロンドンの社交界の様子を高みの見物で見進めていくことができるのもこのドラマの醍醐味です。しかもナレーションは聞き馴染みのあるあの方の声。『メリー・ポピンズ』や『サウンド・オブ・ミュージック』を主演した大御所女優のジュリー・アンドリュースがナビゲートしてくれます。ビジュアルに至っても飽きることはないはず。摂政時代の華やかさが衣装や調度品からたっぷり味わえます。今風アレンジも加えられ、オーケストラが奏でるビリー・アイリッシュのヒット曲「bad guy」が流れる舞踏会シーンに遊び心を感じます。
『ブリジャートン家』の豪華すぎる撮影舞台裏をチェック
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ションダ・ライムズプロデュースによるダイバーシティ設定
さすが、エンターテインメント界のレジェンド、ションダ・ライムズがNetflixで初めて手掛けるプロデュース作品です。濃厚なラブシーンで話題を呼んだり、前出の主演の2人が実生活でも恋人同士の噂が流れたりと、外野の賑わし方も巧みです。
貴族たちが白人に偏らず人種がさまざまである設定もションダ・ライムズらしい大胆さと言えるのかもしれません。アフリカ系ムーア人の血をひくと言われる実在のシャーロット王妃をモデルに、物語の中ではアフリカ系の王妃が登場します。歴史ドラマの常識を覆す試みに物議を醸してもいますが、ダフネとサイモンのムズキュン旋風がダイバーシティ(多様性)を肯定する世界へとしっかりと導いてくれています。
早くもシーズン2製作のお知らせも届きました。劇中で登場する社交界ゴシップ新聞「レディ・ホイッスルダウン」を使ってのアナウンスがこれまたシャレてます。そこに記された予告によると、撮影は2021年の春から開始、ジョナサン・ベイリー演じるブリジャートン家の長男が主役とのこと。もみあげ王子アンソニーの恋の行方も一筋縄でいきそうにありませんが、新たなムズキュンに期待できそうです。
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