コロナウイルスのパンデミックが始まってから、すでに1年以上が経過し、まもなく二度目の春を迎えようとしています。

春といえば花粉症の季節。すでに花粉を感じている方も多いのかもしれません。

花粉症は国民病とも言える病気であり、多くの方が春先になると鼻水が出て、くしゃみが止まらなくなるといった症状に苦しまれていると思います。

このパンデミックの中、新型コロナウイルスと花粉症との見分けは非常に大切になることは明白です。そこで、本記事ではその見分け方について詳しく解説をしていければと思います。

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花粉症に多い症状は?


花粉症で多い症状は、鼻と目の症状です。また、くしゃみの出る病気という特徴も覚えておいていいかもしれません。鼻水、鼻詰まり、くしゃみといった鼻の症状、それに加えて目のかゆみ、目ヤニが出るといった目の症状が中心になります。

また、肺に異常が出る病気ではないものの、鼻水が喉の奥に垂れ込むことで咳が出ることもあります。ですが、メインの症状ではありません。

同時に、新型コロナウイルス感染症との区別にあたっては、花粉症で出ることがない、あるいは出ることが珍しい症状を知っておくことも大切です。

例えば、新型コロナウイルスで出ることの多い発熱は、花粉症で出ることはほとんどありません。あるいは、喉の痛みや関節の痛み、下痢が出ることもまずありません。逆にいえば、こういった症状も伴っていれば、花粉症らしくない、もしかして違う病気かも?ということができます。

このため、鼻水や目のかゆみが出て花粉症かなと思っても、一度立ち止まって、こういった症状がないかどうかを確認してみてください。もし追加の症状があれば、それは花粉症ではないかもしれません。
 

新型コロナウイルス感染症に多い症状は?


新型コロナウイルス感染症では、以下のような症状が多いことが報告されています(参考文献1)

咳(50%)、発熱(43%)、筋肉痛(36%)、頭痛(34%)、呼吸困難(29%)、のどの痛み(20%)、下痢(19%)、嘔気・嘔吐(12%)、におい・味覚の喪失、鼻水(10%未満)。(匂いや味覚の変化に関しては、別の報告でそれぞれ52%、44%と報告したものもあります(参考文献2)ので、頻度はもう少し高いのかもしれません。)

このように、発熱や筋肉痛など全身の症状が出るのが一般的です。また、比較的頻度高くせきの出る病気というのも覚えておいていいかもしれません。

明日に続きます。
 

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参考文献
1    Stokes EK, Zambrano LD, Anderson KN, et al. Coronavirus Disease 2019 Case Surveillance — United States, January 22–May 30, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2020. DOI:10.15585/mmwr.mm6924e2.
2    Tong JY, Wong A, Zhu D, Fastenberg JH, Tham T. The Prevalence of Olfactory and Gustatory Dysfunction in COVID-19 Patients: A Systematic Review and Meta-analysis. Otolaryngol. - Head Neck Surg. (United States). 2020. DOI:10.1177/0194599820926473.

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