コロナと花粉症の違い。医師が診断するポイント_img0
 

花粉症と対比をしてみると、新型コロナウイルス感染症の方が、比較的症状が全身に広がりやすいところに特徴があります。特に38度を超えるような発熱、筋肉痛、喉の痛みといった痛みの症状というのは(インフルエンザなどとは区別ができませんが)花粉症との区別という点では特徴的と言えるでしょう。

また、下痢の症状も新型コロナウイルス感染症ではしばしば経験されるものの、花粉症で起こるということはまずありません。このあたりも区別という点で役立つ症状の一つになるでしょう。

においや味覚の変化というのもよく新型コロナウイルス感染症で報告されますが、花粉症で鼻詰まりが出た時にもこういった症状が出ることがありますので、区別に使うのは難しいかもしれません。ただし、鼻水はないのにただ匂いがおかしいという場合には新型コロナウイルス感染症らしく、花粉症らしくないといえます。

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コロナと花粉症の症状を一覧表で比べる

コロナと花粉症の違い。医師が診断するポイント_img1
 

両者の症状を比較してみると、このような感じになります。

コロナと花粉症の違い。医師が診断するポイント_img2

こうやってみてみると、確かに症状の特徴には少しずつ違いがあることがわかります。ただし、注意が必要なのは、病気の症状には個人差があるのが常だという点です。

例えば、こんなケースが考えられます。

Aさんは数日前から「鼻水が止まらない」という症状が出始めました。また、アレルギー持ちであり、鼻水が出ることは珍しくないとのこと。

上の表だけを参考にしていると、アレルギーと誤診していてもおかしくはないと思います。

しかし、ここでさらに、他に自覚症状はないかと探ってみると、強い倦怠感(だるさ)がありました。花粉症では、強い倦怠感を持つというのはあまり多くありません。

もう一つは、何か思い当たるような感染経路はないかと丁寧に確認していくと、結果として、咳をしている人との接触があったことを思い出され、それをきっかけにPCR検査を行うに至りました。

結果として、PCR検査が陽性となり、新型コロナウイルス感染症の診断に至りました。

このように、自覚される症状だけでなく、普段の自分との変化、感染リスクのある行動がここ最近なかったかという情報もまた、病気を区別するのに大切な情報になります。

こういった情報もかき集めながら、最終的に診断に至ることになります。

もちろん、ご自身だけで判断するのは難しいことも多いと思います。少しでも疑問や不安があるようでしたら、お近くのかかりつけの医師にまで電話相談いただくのが肝要です。
 

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参考文献
1    Stokes EK, Zambrano LD, Anderson KN, et al. Coronavirus Disease 2019 Case Surveillance — United States, January 22–May 30, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2020. DOI:10.15585/mmwr.mm6924e2.

 

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