米国在住で、早い段階で自らもコロナワクチン接種を経験した山田悠史医師。最前線で診療を続ける山田悠史医師が、みなさんからの質問にお答えします。

 

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【質問】 認知症の親にワクチン接種を受けさせるにはどうしたらいいのでしょうか?
同居の父親が認知症です。 軽度のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)もあるのでなんとかワクチンを接種させたいと考えています。高齢者は概してそうではないかと思われますが、新しいことが苦手なため、どのように話していいのか分かりません。というより、話しても忘れてしまうので、ドタキャンの可能性もあります。


認知症とひと口にいっても、その程度や症状によって、対応は様々に変わるでしょう。

まずは、時間をとってご本人の予防接種に対する理解を確認していただくステップから始められてはいかがでしょうか。そこで不安の気持ちがあることがわかれば、その不安に共感を示し、どこに原因があるかを探ってみてください。

その上で、同居のお父様にとって、これからの生活で何が大切と思うか?何をやりたいか?などを確認してみてください。もしそれが、どこかに出かけることであったり、遠くに住むお孫さんに会うことだったりすれば、それを安全に実現するためにはどうすれば良いかという形で、予防接種が大切なステップであることを説明されてはいかがでしょうか。

また当日は、予防接種の問診票の内容もなかなか理解が難しいかもしれません。可能でしたら当日も付き添っていただき、意思決定のプロセスを現地でもお手伝いいただく必要があるかもしれません。

そのような過程が難しければ、一人で抱え込まず、かかりつけの医師に相談していただくのも良いと思います。子どもの話は聞かずとも、信頼しているかかりつけの医師の話は聞いてくれるというケースもあるかもしれません。

もちろん、予防接種は強制ではありませんから、ワクチン接種を選択されない場合には、無理に接種を受けていただくということはできません。その場合、改めて感染予防策の重要性を確認していただくことが大切だと思います。また、この先予防接種を受けた方がマスクを外して良い状況になっても、マスクなどの対応を続ける必要がある可能性は理解していただく必要があるでしょう。

また、ここまでの過程が全く理解できないというケースもあるかもしれません。そもそも予防接種についての理解が難しいという場合や意思表示ができないという場合には、ご本人をよく理解されているご家族に、ご本人の価値観に沿った選択を決定していただく必要があリます。


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参考資料https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00222.html

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