アイスダンスの“チームココ”こと、小松原美里・小松原尊組。 華のある世界観に注目を!

”チームココ”のフリーダンス『ある愛の詩』。前回の出場ではフリーダンスに進めず、枠取りのプレッシャーがかなりあったそうだけれど、曲調が変わるたびに、どんどん引き込まれていく演技でした。写真:Raniero Corbelletti/アフロ

ペアに加えて、2人が作る世界に“華”がググッと出てきたアイスダンスの“チームココ”こと、小松原美里・小松原尊組。こちらもフリーダンスに進んで19位に入り、男女シングル3枠に加え、カップル競技がともに北京五輪枠獲得という偉業。五輪での団体戦もさることながら、やっぱり、フィギュアスケートは、カップル競技が盛り上がってこそ、成熟していくというもの。

 

鍵山優真選手の100点越えショートプログラム!


そして、驚きといえば、もうひとつ、男子シングル鍵山優真選手のショートプログラム100点超え。第4グループの17番滑走の鍵山選手は、髭を蓄えた10歳年上のベラルーシ、コンスタンティン・ミリュコフ選手に続いて飄々と(に見えました)登場。

世界のお茶の間フィギュアファンが、“このティーンエイジャー、誰!?”と思っているであろう間に、3.46の加点がついた4回転サルコウー3回転トゥループジャンプ、続く4回転トゥループジャンプをシレッと決め(たように見えた)、あれよ、あれよの100.96点。

民族衣装をイメージしたという新しい衣装で、ローリー・ニコル振り付けのショートプログラム『Vocussion』を、ノーミスで演じた鍵山選手。音が取りづらそうな曲も、表情をちゃんとつけて、なんなく踊りこなしてしまう。写真:Raniero Corbelletti/アフロ

キス&クライでの、あの喜びぶりはたしかに17歳だけど、演技が始まるや、リンクに漂う、10代とは思えない不思議な風格。
観ていて、ドキドキはしても、ハラハラはあまりしない選手だけに、表彰台もなくはない、と思ってはいたけれど、まさか100点を叩き出してくるとは! 

しかも、フリーは、世界王者と五輪王者のサンドイッチ状態。そのうえ、世界王者ネイサン・チェン選手は、直前で、5クワド成功の神演技。それでも、「ネイサン選手はノーミスするとわかっていたので、何も考えずに堂々と演技をしようと」といって、それをやってのける宇宙人のようなメンタルに脱帽。恐るべき、17歳。