18歳で歌手デビューを果たし、現在は俳優としても活躍するソニンさん。2020年に芸能生活20周年を迎えてなお、歌に演劇にとますます活動のフィールドを広げています。そんなソニンさんは、肉や魚などの動物性食品をいっさい口にしない「ヴィーガン」を9年前から実践。著書『ソニンの美・ヴィーガン』は、豊富な知識量と経験に裏打ちされた説得力でヴィーガンの魅力を教えてくれる一冊であり、20年の芸能生活をなぜ走り続けることができたのかを窺い知れる一冊でもあります。38歳になったソニンさんに、ヴィーガンについて、そして力強い足取りで人生を歩むことができたその理由について、インタビューでお聞きします。

ソニンさん
1983年3月10日生まれ。2000年、EE JUMPとしてCDデビュー。2002年、シングル「カレーライスの女」で本格的にソロアーティストとして活動開始。翌年ドラマ「高校教師」で女優としても活動をスタートさせる。2007年「スウィーニー・トッド」でミュージカル初舞台。その後、海外留学を経て、現在、女優業を中心に活躍している。第41回菊田一夫演劇賞、第26回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。


「あなたの個性でしょ?」
と言われヴィーガンを公表


ソニンさんが菜食の生活を始めたのは約11年前のこと。舞台『ヘンリー六世』で乙女ジャンヌ(ジャンヌ・ダルク)を演じるための減量がきっかけだったそう。その後もハードな舞台に立つ自分の体と向き合う中、ごくごく自然な流れで“ヴィーガン”というスタイルに辿り着いたといいます。しかし、ヴィーガンを公表することにはためらいもあった、とソニンさんは明かします。

 

「芸能人はイメージを売りにする仕事なので、隠さなければいけないことって多少なりともあると思うんです。でも私の場合、自分の経歴だったり、特性について“これは言わないように”と制約されたことがなかったので、基本的にすべてオープンにしてきました。
ただ、ヴィーガンについては色んな価値観を持つ方がいらっしゃることは知っていましたから、これまでと同じように公表していいか、念のため事務所に聞いたんです。今から4年前のことですね。もしダメと言われても、こういう仕事なので納得するつもりでした。すると事務所の40代の女性上司が、“これからは健康に気を遣う時代だし、ヴィーガンはソニンの個性でもあるのだから、いいんじゃない?”って言ってくれて。その後、日本でヴィーガンがこんなに浸透するとは思いませんでしたが、あの時公表できたこと、私の意思を尊重してくれる人がすぐそばにいたことは、今考えると大きな転機だったなと感じます」

ソニンさんがヴィーガンを公表したことで、周囲の人たちにも徐々に変化が。「実は私もお肉を食べないんです」「私も動物性食品を摂るとなんだか調子が悪くて」といった共感の声が増えていったそうです。さらに、ソニンさんの姿を間近に見ることで、ヴィーガンに抱いていたイメージが変わったという人も。

「お肉もお魚も食べないヴィーガンは、どうしても“踏ん張りがきかない”と思われがちなんです。でも、完全菜食生活を約10年間続けている私の舞台を見て“パワーが出ないと思っていたけど、そうじゃないんだね!”と言ってくださる方も増えてきて。
ヴィーガンは私にとって、常にベストパフォーマンスを引き出すために必要不可欠なものなので、そうした感想をいただけるとすごく嬉しい気持ちになります」

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