政府はコロナ危機に対処するため、金融機関に対しては返済猶予について柔軟に対応するよう求めています。もし返済に問題が発生した場合には、まずは銀行に相談することが最優先です。

震災時の5倍!コロナ禍で住宅ローンが払えない人が最初に取るべき方法とは_img0
 

経済的に苦しくなると、頭がパニックになってしまい、銀行に対しては「とにかく大変なんです」といった説明をしがちですが、ここは冷静になってください。

 

繰り返しになりますが、銀行は商売でお金を貸していますから、先方が求めているのは、どうやって返済していくのかという具体的なプランです。返済できなくなった現状と今後の方策について、確定できないにしても可能な限り具体的に説明すれば、銀行側が納得してくれる確率は高まります。

家を売却するなど、あらゆる手段を使っても返済できない場合には、自己破産といった手続きをするしか方法はありません。しかしながら、今はコロナ危機ということで債務整理についても特例措置を設けています。

政府は東日本大震災をきっかけに、債務者の整理を円滑に実施するため「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を定めましたが、これをコロナ危機にも適用するよう、金融機関などに呼びかけています。

制度の利用を金融機関に申し出て、金融機関側がこれに同意した場合、地域の弁護士会などを通じて専門家が選定されます。専門家の支援を受けながら、財産目録などを作成し、債務整理の手続きを進めていくことができます。これは破産という公的な手続きを経ずに債務を整理するやり方なので、手続き後に財産の一部を残せる可能性があるほか、破産者として官報に掲載されることはありません。

法的に破産にならないとはいえ、これは最後の手段に近いものですから、利用については慎重になった方がよいでしょう。債務整理したことは個人信用情報に登録されないので、理屈上は、新規の借入れにも影響が及ばないはずですが、それはあくまで形式的な話です。お金の貸し手からすると、返済できなくなった事実は認識できますから、今後の借入れが難しくなる可能性は否定できません。

これから住宅ローンを組む人は、このあたりの仕組みをよく理解し、最悪のケースを想定した上でローンを組んだ方がよいでしょう。金融市場では徐々に金利が上がり始めており、住宅ローンについてもわずかですが金利を上げる銀行が出てきました。変動金利で住宅ローンを組んでいる場合、金利が大幅に上昇すると返済額が急激に跳ね上がりますから注意が必要です。

いずれにせよ、収入ギリギリの返済計画を立ててローンを組むことはリスクが極めて高くなります。当たり前のアドバイスかもしれませんが、ローンはできるだけ短期に、そして年収に対する返済額は余裕を持たせるのが基本です。

この記事は2021年4月18日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。


 

 


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