考えが変わらない限り、非婚主義のままでいると思う



——本文中でジェンダーやハンディキャップなどについて実体験を交えて考えを綴られていて問題意識の高さが伺えますが、現在ラビンさんが関心を寄せている社会問題はなんですか?

「さまざまな社会問題に関心があります。児童虐待、動物虐待、保護犬、保護猫、生活が困難な状況に置かれている人たちへの寄付、障がい者、LGBTQ、人種差別、北極の氷が解ける現象と環境問題など。わたしが本に社会問題を盛り込んだ理由は、たった一人が書いた文章でも、本が多くの人に広がれば、世の中が少しでも変わるのではないかと思ったからです。いまも社会・環境問題には関心が高く、自分でできることをしています」

写真提供:クォン・ラビン氏

——日本ではここ数年「自己肯定感」という言葉が流行っています。本書を拝読して、ラビンさんの言葉には読者の自己肯定感を上げてくれるような効果があると感じました。ラビンさんは自己肯定感は高い方? 低い方? また、自己肯定感を上げるご自分なりの方法はありますか?

「『自己肯定感』とは、韓国で『自尊心』といわれる単語のことだと察します。わたしは、自尊心がとても強いほうです。自分がとても素敵ですごい人だと考えていて、誰もそう言ってくれる人がいなくても、わたしは自分自身をほめ、将来の目標を家のあちこちに貼っています。その目標を達成するため、実際にすごく努力をしています。

 

1日3回大声で『ありがとう』と叫び鏡を見ながら自分をほめたり、最近は以前からやってみたかったウェブ小説を書いてみたり。やるべきことを先延ばししないだけでも、自分はすごい人だと思います。先ほども触れた『ザ・シークレット』という本を読み、自分は夢をかなえることができる人だと信じ、できるだけネガティブな思考をしないようにしています。

具体的な夢と目標を書き留めて一歩ずつ近づくように実践すれば、すべてをかなえられると信じています。

最初の著書が海外で翻訳されることは少ないといいますが、わたしは自分の本が世界で読まれると信じて疑いませんでした。『家にいるのに家に帰りたい』が出版されて1年と少し経った今、7か国からオファーが入ったと聞きました。自分自身を信じることが、一番重要だと思います」

——本書の最後で「結婚しない」と綴られていますが、なぜそう思うようになったのか、また、その考えに至るまでの経緯を教えてください。

「結婚しないのではなく、将来ずっと一緒にいたい気持ちや私たちの愛を、あえて結婚という社会制度で束縛しないように、という意味で書きました。非婚主義者ではありますが、過去には結婚したいと思った人もいました。いまは考えが変わらない限り、非婚主義のままでいると思います。『愛することの結論は、結婚であるべきか』という彼との会話から生まれた文章です」

——今後、どのような執筆・表現活動を展開される予定ですか?また、どのように年齢を重ねていきたいですか?

「30歳までは、たぶんウェブ小説と童話を書く予定です。その後、新しいエッセイや自己啓発書を出版したいと考えています。わたしは自分が書いた文章と本が、たんに本で終わるのではなく、ドラマ化や映画化されることを心から望んでいます。文章を書きつづけ、韓国を超えて全世界が共感するロマンスファンタジー映画を作りたいと思います。私の夢がそうだったように、夢見たとおりに叶うはずです。

このままずっと夢の中で生き、その夢を現実にする魔法使いのように、変わらない心のまま年齢を重ねたいです。変化があっても、わたしのピュアな創作の意図と固い決心、そして心が……変わらないように」


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『家にいるのに家に帰りたい』(&books/辰巳出版)クォン・ラビン:著
チョンオ:絵
桑畑優香:訳

BTSのVも読んだ!“わたしだけのために書いてくれたみたい”——韓国でも日本でも共感の声続々! 心に灯をともす癒やしの言葉たち。


翻訳/桑畑優香
構成/露木桃子