スルーできない「なぜタメ口?」問題


『ナイト・ドクター』を語る上で、どうしてもスルーできないのが、タメ口問題。さすがに少しずつ慣れてきましたが、最初はずっと「なぜタメ口?」の違和感が拭えませんでした。5人は、同時に「ナイト・ドクター」として採用されたものの、成瀬と桜庭瞬(北村匠海)では、キャリアに8年の差があります。

 

それなのに、桜庭は「みんな同期だし、タメ語でいいよね?」なんて言い出して。成瀬が言うのならまだ分かりますが、一番下っ端の君が言っていいのか……? と少しハラハラしてしまいました。

のちに、桜庭はいくつもの病院を束ねる「柏桜会」の会長の息子であることが明かされたので、「なるほど! だから少し生意気なのか」と思ったのですが、よく考えたら深澤新(岸優太/King & Prince)も高岡幸保(岡崎紗絵)もタメ口を使っているんですよね。

高岡は仕事ができるのでまだ違和感がないものの(それでも、「成瀬」呼びは引っかかりますが……)、桜庭と深澤は初心者同然。成瀬や朝倉が必死に救護に当たっている時に、2人は何もできずに立ち尽くしたりしているんですよ。それで、「朝倉はさ〜」なんて言うもんだから、だいぶ引っ掛かります。

とはいえ、筆者も医療現場で働いたことがあるわけではないので、「病院勤務ならではの決まりなのかもしれない……」と思い、医療従事者の友人に確認してみました。聞くと、やはり「同期入職=タメ語OK」の文化はないようです。キャリアに差がある場合は、それに準じて上下関係が決まる。技術がモノをいう世界は、とくにその辺厳しそうですもんね。(病院によるのかもしれませんが)。

では、なぜわざわざタメ口にしたのか。

それは、5人の関係を“仲間”としてみせたいからかもしれません。

第5話、訴訟を起こされた成瀬を助けるため4人が奮闘するシーンがありました。弁護士を紹介したり、似たような訴訟例を探したり。過酷な夜間勤務を全うするだけも厳しいだろうに、全員が成瀬のために行動する。

その姿が、“先輩のために”ではなく、“仲間のために”という風に見えたんですよね。きっと、成瀬に対して敬語を使っていれば、「優しい後輩たちだな〜」で終わったと思うんです。けれど、“仲間”に見えてしまったのは、タメ口効果なのかもしれません……。

ドラマ公式サイトに、「夜は命に、昼は人生に向き合いながら、唯一無二の絆を築いていく」と書かれているため、今後5人は、唯一無二の絆を築いていくのでしょう。

いつか、タメ口に違和感がなくなる時が来るとしたら……。それが本当の意味で“仲間”になった時なのかもしれません。その瞬間を見届けるために、これからも見続けたいと思います。

さて、8月9日からはついに第二章の開幕! 「いつか俺も、この4人に追いついてみせる。そう思っていた。この夜が来るまでは……」という深澤の意味深なナレーションが気になって仕方ありません。早く第6話が見たい!
 


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