承認欲求も自己顕示欲もあっていい


匂わせがダメ、自己顕示欲がダメとは思っていません。意図と内容がズレてること、あるいはズレに無自覚であることが、ネット発信を健康的に続けていく上で精神衛生上よくないと思っています。反応がなくても落ち込むし、あっても不満が残ったまま、いいね数やリアクションへの依存度が高くなってしまうからです。

 

仕事上であれ、プライベートであれ、気持ちを込めて何かを発信する、紹介する、推奨する際には、自己顕示や賞賛されたい気持ちがこもって当然です。

今、この記事を読んでいるような大人の世代の方が、現在、まわりの環境や人やセンス、仕事のチャンスに恵まれているとするならば、ご自身の並々ならぬ努力と蓄積のたまものです。若い頃はある程度インプットに時間をさいてきて、発信者になるとは思ってもいなかった人も、これからはぜひアウトプットしてください。あなたがそれだけの蓄積と努力をしてきたから、存分に自慢してアピールしていただきたいのです。

こんな仕事をしました、関わりました、作りました、大変だったけど嬉しかった、勉強になった、この商品ものすごくいい……と発信することは、関わった人たちのモチベーションにもなります。過度な言い訳や謙遜は削って、ぜひストレートに真摯にアピールしてください。

 


「いいね」が欲しかったら「いいね」すべし?


お金を払ってSNSのフォロワーを増やす施策が少し前に注目を集めていました。Instagramなど各社のガイドラインによる取り締まりといたちごっこなので、下火になりつつあるようですが、今もあると思います。手法のひとつは、ターゲット層やある特定のキーワードを発信している投稿を自動でいいねしたり、自動フォローすると、ある一定の割合でフォロー返しやいいね返しをしてくれるというからくりでした。

 

そんなビジネスが成立するくらい、ネット社会は意外とクラシカルなギブ&テイク文化でできています。いつも「いいね」してくれる人には「いいね」したいと思います。いいねが欲しかったら、他人へいいねしろ、というと非常に打算的に聞こえちゃいますが……。アカウントを作ったばかりの初期の段階などは、似たようなジャンルのアカウントや投稿に積極的にリアクションをするのは非常に効果的です。そのアカウントがリアクションし返してくれることもあるでしょうし、そのアカウントのフォロワー(価値観が共有できそうな人たち)の目にとまる可能性も上がります。こういう人たちに承認されたら嬉しいなと思う人たちへ積極的にアクションしていくことは、地道ながら健全なPR活動です。
 

頑張ってるアピールが讃えられる社会に

 

少し前に流行った「どや顔」という言葉が私はあまり好きではませんでした。「やってやったぜ」っていう気持ちを茶化すムードが嫌だったのかもしれません。(いいじゃん、やっと掴んだ見せ場に嬉しい気持ちが隠しきれなくて小鼻が広がったって、と内心思ってました)。

なにが言いたかったかというと、日本はわりと“白鳥主義”ですね。水面下でバタバタしてることは見せずに涼しい顔をするのが美徳。ものすごい努力をして「やってやった」としても、自らは羽を広げてアピールしないのが美徳とされてきたところがあります。でもここ数年ちょっとずつそれも変わってきているのかなとも感じます。

大人になればなるほど、アイドルのデビューあるあるのような「友達が知らない間にオーディションに応募してて」みたいな他薦ドリームは起こりずらくなります。もうそうそう他薦はなく、自薦あるのみです。実績や経験を積極的に開示して、やりたいこと、関わりたいことへの道を掴み取っていきましょう!

そしてもうひとつ、頑張ってるアピールすることがイタイとかダサいとか言われない社会を作っていくことも大人の役割のひとつだと思っています。
 

さて、今回までで「心構え」的なイントロダクションは終わりです。次回からはより実践的な「発信者としてファンを作っていくには?」のお話に入っていきますね!
 


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イラスト/shutterstock、川端里恵

 

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