離婚したがる夫の言い分は、皆同じ……?

Netflixシリーズ『結婚作詞 離婚作曲』シーズン1~2独占配信中

『結婚作詞 離婚作曲』を観て、怒りで震えが止まらなかったというのは、ご自身も離婚経験を持つ雅美さん(41)。彼女も本作品を“リアルすぎる”と感じた視聴者の一人です。

 

「離婚を切り出された妻の立場としては、心に刺さるものが多い内容です。というのも、ドラマの中で離婚を切り出す夫の言い訳が、私が元夫から言われたセリフと全く一緒だったんですよ。不倫が理由で離婚したがる男は、みんな同じことを言うのかな? と、ちょっとゾッとしました。

自分が不倫をしたくせに、最初は妻のせいで愛情が冷めたかのような主張をするんです。観ているうちにいろいろ当時のことを思い出して、怒りが湧き上がってきました。そのくらいリアルです」

ドラマの中では、不倫夫の呆れるような言い訳が次々と飛び出し、本気でイライラした女性も多いでしょう。これが経験者の雅美さんにとっては、まるでどこかで聞いたセリフのようだというのです。

必死で夫のために身を捧げた妻に対して、もう女としての魅力がなくなったかのような責め方をしたり、自分の責任感の無さを棚に上げて、愛が冷めたことを正当化したり……。ドラマに登場するカップル全てがそうではないのですが、そんな場面が何度もありました。恐らく離婚経験がない女性でも、同じ妻として共感し、男性の身勝手な主張に呆れ返るはず。

さらに雅美さんは、ドラマを観て衝撃を受けた点が他にもあったそう。

「幸せだと思っていた矢先に、ある日突然離婚や不倫の危機が訪れるというくだりも非常にリアルです。『うちの夫がまさか不倫なんてするわけない』とか『夫がまさか私以外の女性を愛するはずがない』と信じていたのに、その“まさか”があっさりと自分の身に降りかかるんですよね」

離婚の経験があってもなくても、私たちが他人事とは思えず、このドラマに深く共感してしまうのは、「明日は我が身」と感じるからかもしれません。

なぜなら主人公カップル3組とも、もともとは深く愛し合って結婚しているし、安定した幸せな家庭を築いていました。だから今どんなに幸せでも、いつ自分の身に起こるかわからない……という現実的な展開に、ビクビクせずにいられないのです。

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不倫する男女が沼に落ちていく過程を見せられて……


同じく本作品に没頭したというのは、真理子さん(39)。彼女は現在、夫と子どもと3人暮らしですが、実は過去に不倫された経験があると言います。

「5年前の出来事で、一度だけ許すと決めたので今は蒸し返さないようにしています。でもドラマを見ていたら、あのときの苦悩が蘇ってきて、苛立ちが収まりませんでした。サレ妻の気持ちがわかるので感情移入しすぎてしまうんです。

しかもあのドラマって、不倫する側の視点でもストーリーが描かれていましたよね。不倫する側の気持ちなんて理解したくもなかったのですが、ドラマを見ていくうちに、『ああ、不倫するカップルってこうやって沼に落ちていくんだ……』と、リアルな過程を見せつけられたような気がして、恐ろしい気持ちになりました」

『結婚作詞 離婚作曲』では、様々な登場人物の目線から、フラットに離婚劇や不倫騒動が描かれています。

裏切られた妻側の視点だけでなく、裏切った夫側、そして不倫相手側、それぞれの家族目線などで語られていきます。そのため、不倫されてしまった妻の苦しみも、禁断の愛に落ちていく不倫カップルの地獄も、いろいろな立場から物事を考えされられるのです。

シーズン1は中盤までは妻目線でストーリーが進行していましたが、後半は、不倫相手たちの視点に切り替わりました。

実際にこういった夫婦問題が起こる場合も、善悪はさておき、それぞれの言い分というものが存在するはず。本作品ではそれを見事に表現しています。

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真理子さんが戸惑った点は、もうひとつあるそうです。

「主人公の3人の女性って、タイプが全く異なりますよね。妻としてのタイプも全然違います。でも結局、美人でもそうじゃなくても、尽くしても尽くさなくても、どんな妻であれ不倫されてしまうのか……と思ったら、何が“妻として”正解か全くわからなくなりました」

主人公女性3人の共通点は、同じ職場で働いているということだけ。年齢もルックスも性格も、子供の有無も、すべての点で大きく異なります。

夫思いで慎ましく、いつも綺麗にしている完璧な妻。美しく高嶺の花だけど、家庭的ではなく気の強い妻。夫の人生と家庭に身を捧げるあまり、老いてしまった妻……。

パートナーに裏切られた人の多くは、「自分の何が至らなかったんだろう」と考えてしまいがち。もっと身なりを綺麗にして“女”でいればよかったかとか、日々キツくあたりすぎていたとか、夫にもう少し尽くすべきだったとか。「あるべき妻の姿」について考えさせられますが、このドラマを見ていると、そこに正解なんてないのでは? と感じました。

そしてまた、不倫する男性陣のキャラクターもバラバラです。年齢も職業も異なるし、まじめで女遊びを知らないタイプもいれば、いかにも“モテる男”もいる。

つまり「こういう男は浮気する」という正解もないということ。しかし当然、すべての男性が不倫をするわけではありません。

結局は、妻や子供たちに責任を果たせる夫かどうか。結婚する時点でそれを見抜ける自分の嗅覚にかかっているのかもなあ……なんて、考えさせられました。

本作品は、8月上旬にシーズン2の最終回を迎えました。視聴者たちが騒然とした波乱のエンディングシーンに、早くもシーズン3制作への期待が高まっています。

余談ですが、本作品にもとんでもなく年齢不詳の美女たちが登場します。サ・ピヨン役のパク・チュミや、ソン・ウォン役のイ・ミニョンなど、10歳以上若く見える美貌に驚かされっぱなし。そんな彼女たちの美しさも堪能しながら、ぜひ『結婚作詞 離婚作曲』を楽しんでください!

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後編では、ドラマ中に出てきた韓国料理のレシピを公開中!
「結婚作詞 離婚作曲」の世界にどっぷり!鶏の甘辛煮“タットリタン”のレシピ【おうちで韓国ドラマごはん】>>
 

構成/山本理沙
この記事は2021年9月10日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。

 

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