子どもの前で、専門家である必要はありません。「しっかりやらないと!」と肩ひじ張らずに、みなさんの家庭に合う性教育のヒントを見つけてください。
ここからは、児童期・思春期、それぞれのお子さんを持つ保護者から「命育」に寄せられた「生理」にまつわる具体的な悩みや、よくある質問をQ&A形式でご紹介します。

親子で話す「生理」、子どもの発育段階別ケーススタディ
 

〜児童期(小学校低学年~中学年ごろ)〜
Q:生理について、いつごろ、どんなふうに伝えればいい?

A:性器の周りやわきの下に毛が生えたり、胸がふくらみ始めたりしたら、そろそろ初経がくるころかもしれません。自分の体の中でどのような変化が起きるのかを知るためにも、まだ初経をむかえていないうちから、早めに家庭で生理の仕組みについて説明しておくといいでしょう。赤ちゃんができる仕組みとあわせて教えると、わかりやすいですよ。

 

妊娠や生理については、次のようにわかりやすい言葉で伝えることができます。性に関する絵本を見せながら話すと、よりわかりやすいですよ。

「女性の内性器には、左右に『卵巣』と呼ばれる卵子を作るところがあるよ。月に一度、卵子のうちのひとつがどちらかの卵巣から飛び出し、卵管に入るよ。このとき、卵子と精子が出合うと、赤ちゃんのもととなる受精卵ができるんだ。

 

この時期は、子宮の内側の膜(子宮内膜)がふかふかしたベッドのような状態になり、受精卵が子宮にたどり着いて、このベッドにくっつくことを『妊娠』というの。このときに卵子と精子が出合わなければベッドは必要なくなるから、子宮内膜がはがれて腟から体の外へと排出される。これが『生理』なんだよ」

「卵子と精子がどうやって出合うのか」伝えたことがある方は、セックス(性交)をして卵子と精子が出合うと説明をしてあげることもできます。性器のことやセックスのことなど、伝えていないことがある方は、そのことについて話しをするきっかけにもなりますね。(詳しい伝え方は、書籍内にて紹介)

また、生理のときは「生理痛」といっておなかが痛くなるほか、眠くなる、イライラする、貧血気味になるなどの症状があらわれることもあると話しましょう。

これらの症状は、人によってさまざま。ただし、うずくまるほど痛みがある、具合が悪く寝込んでしまう、経血量が多いと感じたときは、産婦人科を受診したほうがいいと伝えるといいですね。

保護者が生理のときに伝えるなど、普段から家庭で生理の話をしやすい環境を整えておくと、子どもも成長過程で訪れる自然なことだと受け止められるはず。また、これを機にパートナーとも生理について話すことをおすすめします。

たとえば、母親が不在時に子どもに初経が来たときの対応や、生理期間の心や体の変化などをすり合わせておくと、いざというときに対応できるでしょう。

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子どもの生理用品は一緒に選ぶのがおすすめ!
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書籍内では、命育に寄せられたリアルな性教育エピソードを紹介するマンガも。親世代のときには、こっそり隠して持っていた生理用ナプキンですが、いまやお友達同士でかわいい生理用ナプキンを交換したり、子どもでもいろいろなタイプのものがあると知っていたりする時代。家にある生理用ナプキンをそのまま使わせるのではなく、一緒に、子どもに合う生理用品を選びに行くのもいいですね!(マンガ:たもさん)