司会は大泉洋。ド派手なステージで、超個性的な全身コスチュームに身を包んだスターたちが懐メロを熱唱し、PerfumeにMIYAVI、水原希子らパネリスト陣がオーバーリアクションで推理戦を繰り広げる。そんなありそうでなかったスタイルの歌番組が『ザ・マスクド・シンガー』。Amazon Prime Videoで配信中です。気になる番組事情に迫ります。

『ザ・マスクド・シンガー』「こんな音楽番組、流行るワケない」を覆したハマる理由とは?_img0
©2021 Amazon Content Services LLC


顔を見せずに歌う音楽番組なんて流行るワケない!?

『ザ・マスクド・シンガー』「こんな音楽番組、流行るワケない」を覆したハマる理由とは?_img1
『ザ・マスクド・シンガー』Amazon Prime Videoにて毎週金曜夜8時より独占配信中。©2021 Amazon Content Services LLC

9月3日から毎週金曜日に配信されているAmazonの音楽番組『ザ・マスクド・シンガー』を既にチェックしている方も多いはず。まだの方でもAmazon Prime会員であれば、視聴可能です。Amazonイチオシの番組とあって、司会もゲストもステージもどこを切り取っても超豪華。華やかなエンターテインメントプログラムを実現しています。

 

何より、通常の歌番組とは全く違うことにもすぐ気づくはず。歌っている「“中の人”はいったい誰?」を当てる歌×クイズ番組なのです。推理ありきのその内容は、メインのステージで歌う頭から足の先まで全身キャラクターに扮した12人の「声」とヒントを手掛かりに、答え合わせを楽しむもの。

『ザ・マスクド・シンガー』「こんな音楽番組、流行るワケない」を覆したハマる理由とは?_img2
©2021 Amazon Content Services

そもそも「それの何が面白いの?」という声が聞こえてくるのも当然。顔を見せずに歌う歌番組なんて、この番組以前はありませんでした。オリジナルは韓国です。韓国の地上波のテレビでファミリー層向けに作られた当初は「こんな番組なんて流行るワケない」と言われていたそうです。それでもブレイクスルーが起こることを信じて続けていたところ、じわりじわりと広がり、韓国を飛び出してタイからアメリカにまで渡り、2年前から大ヒット。世界中で多くの番組プロデューサーが注目し、今では世界50か国で展開されています。類似番組まで続出しているほどです。

ようやく日本に上陸したというわけで、この日本版はAmazonがアメリカ版をリメイクして、日本向けに作っています。元のアイデアは韓国、スタイルはアメリカ、それを日本に変換したものなのです。
 

DA PAMPを歌うイケボは誰? 思い込みが増していく……


見慣れない音楽番組に面食らう人も続出しているのも事実。「推理が簡単過ぎるんじゃないか?」そんな声も聞こえてきます。否定できないところもあります。その辺りは複雑で難しい推理を求めがちの日本人には物足りなさを感じるところ。これもやっぱり背景にはグローバルな番組であることが大きいのです。どの国のどの年齢層もわかりやすいカタチだからです。

『ザ・マスクド・シンガー』「こんな音楽番組、流行るワケない」を覆したハマる理由とは?_img3
©2021 Amazon Content Services

見事に騙されたキャラクターも実はありました。もしかしてあの人?と思いつつ、ハイトーンボイスのイケボにうっとり。懐メロも満載の楽曲の中でDA PUMPの「if…」を聞けば、イケメンアイドルの顔まで浮かんでしまう。思い込みが増していきます。それはそう、忍びなのに丸々太った「ニンジャ」キャラクターのことです。

そんな視聴者心理を惑わしてか、パネリスト陣の回答の多くもイケメンを誘導。一方、Perfumeから「実はプロじゃないように見えるステップ」という核心を突く推理も入り、「歌っているのは誰かを早く知りたい」心理が高まっていきます。ニンジャが仮面を脱ぐ第7話はこの番組が狙う面白さが詰まっている回のひとつです。

『ザ・マスクド・シンガー』「こんな音楽番組、流行るワケない」を覆したハマる理由とは?_img4
©2021 Amazon Content Services LLC

詰まるところ、キャラクターそのもののファンになる。これもこの番組が世界で人気の理由にあります。衣装デザイナーが番組のためにデザインした力の入ったオリジナルコスチュームも、ド派手な演出の数々も、中の人とは一味違う作り上げたキャラクターを楽しませるためのもの。お気に入りのキャラクターを見つけるのをオススメします。

早くも10月15日夜に最終回の配信を迎えます。今から追っかけしても、全9話のアーカイブをマイベースに観ても良し。熱いうちに楽しんじゃいましょう。
 

閲覧注意!マスクの中のネタバレあり!キャラクター紹介
▼右にスワイプしてください▼



前回記事「「懲役60年の夫」と「6人の子ども」を持つ女性の20年の闘い。黒人女性監督映画『タイム』が凄い」はこちら>>