「真奈美さんの声が好きなんです。ある意味、“楽器的な魅力”があります」(川井)


――12月10日から『川井郁子デビュー20 周年音楽舞台&コンサートを』が開催され、初日の第二部に小西さんがゲスト出演されますが、どんな舞台になりそうですか?

川井:第一部の音楽劇は、これまでにない実験的な舞台になると思います。ホログラムやプロジェクトマッピングなどを使った最先端技術と伝統を融合させた作品になります。
細川ガラシャがテーマなのですが、日本においては、歴史的に自分の意志をハッキリ示した女性だと考えています。
オペラとは違い、言葉のない音楽劇だからこそ、無限の広がりや想像力が生まれると思っているので、観客の皆様にとって、色々な想像が広がる舞台にしたいです。

小西:第二部は、ヴァイオリンとピアノの演奏と共に私が作った曲を何曲か歌うのと、あとは、お友達ならではのざっくばらんのトークをしたいと考えています。

川井:真奈美さんは、独特な空気感があって、訴えてくるものが、他の歌い手さんとは違う、降って出てくるようなところが素敵なんです。
あと、真奈美さんの声が好きなんです。ある意味、“楽器的な魅力”があります。だから、他の楽器との相性もすごくいいんです。

意外な接点!小西真奈美さん・川井郁子さん「自分がどんどん面白くなる!枠にとらわれない生き方」_img3
 

――川井さんは、デビュー20周年ということですが、振り返ってみていかがですか。

川井:“自分の音楽”をやり始めて20年ということでもあり、この20年は、それまでの自信のなさや迷いとは真逆の気持ちが芽生えた時だったので、“自分がヴァイオリンをやってきた意味”がようやく見えてきました。
ヴァイオリンは、私にとっては、「もう1つの声」のようなものなので、ヴァイオリンでないと出せない自分がいるんです。
普段、思ったことを言うのは得意なほうではないのですが、ヴァイオリンを持つと自分を出せるんです。悪い言い方をすると、見せてはいけない自分を出している快感、というか(笑)。ヴァイオリンでなら、恐れずに出せますしね。

 

「自分発信だと、責任も全部自分で負う必要は出てきますが、自由と共に責任を担う覚悟があるなら、やりたいことをやれる状態に年々なってきると感じています」(小西)


――実は、小西さんも芸歴が長く、今年で23年。同じ仕事を20年以上続けるのは大変なことですが、楽しく続けていくためにも、お二人のように、「常に好奇心を持って変化しながら、自分に合う環境を自ら作っていくこと」が大切なのかもしれませんね。

小西:与えられるのを待っているだけだと、責任が自分にかかってこないですよね。そうすると、幸せを外に求めるし、結果も外に対して責任を課してしまいがち。
逆に、自分発信だと、責任も全部自分で負う必要は出てきますが、自由と共に責任を担う覚悟があるなら、やりたいことをやれる状態に年々なってきていると感じています。
それに、川井さんのような素敵な大人の方に出会っているので、年齢を重ねることもチャレンジすることも、怖がらずにいられるんです。本当に出会いに感謝です。

小西真奈美 Manami KONISHI
女優・歌手。
1978年10月27日生まれ。1998年、つかこうへい演出の舞台『寝盗られ宗介』でデビュー。女優として数々のドラマ、映画、CMに出演中。歌手としては、2016年、舞台『KREVAの新しい音楽劇「最高はひとつじゃない 2016 SAKURA」』にて初めてラップに挑戦。KREVAのシングル曲のカヴァー「トランキライザー」を初めて本人名義でリリース。同曲は iTunesのHIPHOPチャートで1位を獲得。2017年、インディーズでEP「I miss you」と、亀田誠治プロデュースのシングル「君とクリスマス」、「クリスマスプレゼント」を発表。2018年、ビクターより全曲自身で作詞作曲を行ったメジャー1stアルバム『Here We Go』をリリース。
小西真奈美オフィシャルサイト
小西真奈美オフィシャルブログ
小西真奈美オフィシャル Instagram
ユニバーサル ミュージック 小西真奈美サイト

川井郁子 Ikuko KAWAI
ヴァイオリニスト、作曲家
香川県出身。東京藝術大学卒業。同大学院修了。現在大阪芸術大学教授。国内外の主要オーケストラ、指揮者チョン・ミョンフンやテノール歌手ホセ・カレーラスなどの世界的音楽家たちと共演。2008 年ニューヨークのカーネギーホール、2015 年パリ・オペラ座、2019 年ワシントン DC 全米さくら祭りでの公演など国内外で活躍。第 36 回日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞、作曲家としても高い評価を得ている。昨年、2020 年にアルバムデビュー20 周年を迎えた。使用楽器:ストラディヴァリウス(1715 年製 大阪芸術大学所蔵)
川井郁子ホームページ

<作品紹介>「川井郁子デビュー20 周年音楽舞台&コンサート」
時代の大変革期、激動の時に散った二人の女性、細川ガラシャとマリー・アントワネット。共に時代の終焉を象徴する二人には不思議な縁がありました……。

第一部 音楽舞台『月に抱かれた日・序章』~ガラシャとマリー・アントワネット~
第二部 川井郁子 with 5 STARs コンサート

【日程・会場】2021年12月10日(金)~12日(日) 新国立劇場中劇場<東京>
※大阪公演<2021年12月28日(火) 梅田芸術劇場メインホール>も予定

【制作総監督・企画・演出・音楽】川井郁子
【チケット】全席指定 9,000 円 ※未就学児入場不可 11月13日(土)一般発売


チケットぴあ(P コード:204-135) 
ローソンチケット(L コード:33885) 
イープラス 
【公式 HP】
撮影/Robin Furuya
取材・文/加藤弓子