人気エディターの小林文さんに、最近のお気に入りアイテムをコーディネートとともに紹介してもらいます。
前回のザラパンツ、長々と語っちゃったかな……と心配していたのですが、インスタグラム等で反響をいただき、「皆さんじっくり読んでくださるのね!」とうれしくなりました!(実はミモレではあまり長い文章にならないように、書いては消し書いては消し……を繰り返していまして。読むのがお好きな方は、noteもよかったら♡)
さて、今回は「素敵なジャケット&ワンピースを青田買いしたっ!」という話。「THE LINER(ザ ライナー)」、この秋デビューした、フォーマルウェア特化の新ブランドのものです。
展示会へ行くまでの私は、「フォーマルか〜。年齢的にもそろそろちゃんとしたモノ、気になるかもな〜」くらいの軽い気持ちでした。が、実物を見て驚きました。 「え、シルエット、めちゃくちゃきれいなんですけど!!!」
展示会ではオーダーしない、一度家でゆっくり考える慎重派な私が珍しく即決オーダーしてしまったので、じっくりお伝えします。
デザインを手掛けるのは久保嘉男さん。ミモレ読者の皆さんには、ミュラーオブヨシオクボの久保さん、というとわかりやすいかもしれません。
正直に言って、「ミュラーの久保さんが作るフォーマル服ってそれ、めちゃくちゃモードなんじゃ……」と一瞬ひるみました。が、びっくり! めちゃくちゃシンプル! きれい!
そこにご本人登場でまたまたびっくり!
というのも、私が勝手に想像していた久保さんは、黒づくめで部屋の中でも帽子をとらない系、“ちょっと気難しそうなデザイナー”だったんです(笑)。しかし実際には初対面にもかかわらず、滑らかな関西弁でめちゃくちゃ丁寧に説明してくださる、“超絶気さくなデザイナー”さんでした。
ミュラーオブヨシオクボはエッジィで個性的な服が多いイメージなのに対して、ザ ライナーはシンプルでミニマル。とても驚いた旨を率直にお伝えすると、「実はシンプルなものもすごく好きやねん」(←気さく〜)とのこと。
某有名アーティストのライブ衣装の担当もされていて、緻密に計算された動きやすいデザインに定評がある久保さん。「緊張感のあるシーンで着るフォーマル服も、美しいシルエットとノンストレスな着心地とを両立させたい」そんな想いから、ザ ライナーの立ち上げを決めたそう。なるほど。深く納得しました。
アイテムは、ジャケット3型、ワンピース4型の計7型のみ。色展開は黒とネイビーの2色。
葬儀など悲しみのフォーマル服には黒を、卒入学などハレの日のフォーマル服にはネイビーを、となんとも選びやすいのもいいではありませんか。
ブランド名の「ザ ライナー」には、「デザインもパターンも“線”がすべて。考え抜いた“線”で作る」という意味が込められているのだそう。その名のとおり、シルエットが抜群に美しい! ハンガーにかかっている時点でもそれはわかりますが、着てみると惚れ惚れしてしまうほどでした。
私は散々試着して、襟付きジャケットと五分袖のIラインワンピース(どちらもネイビー、36サイズ)に決定。
ジャケットは腰骨にかかるくらいの長すぎない丈、ジャストな肩、そして胸のあたりから入ったダーツがきいてすっきり。ボクシィに見えてドカッとしていないバランスが絶妙です。襟付きジャケットって甘いかな……という心配は無用。古臭くない、老けない、でもほんのりクラシカルな雰囲気が最高に好みです。
ワンピースもまた究極にシンプル。腰にダーツを入れていて、その効果で窮屈なくびれではなく、緩やかな丸みのあるIラインを作っている。きれいに詰まったクルーネックや細身の五分袖で、キレのいいワンピースに仕上げています。
いずれも素材はポリエステルとポリウレタンを合わせた、ストンを落ちるマットな素材。程よい厚みとさりげないストレッチ性。なんといっても動きやすい! 疲れない! この生地とデザインでこの価格。大人としての大事な場面で頼りになること、そして長く着られることも想像して、買って損がない! と即決だったわけです。
そして、ここからは、「家でじっくりコーディネートしてみたっ!」編。
卒入学式やお受験の面接等では、ストッキングにきれいめパンプス、ひと粒パールのイヤリング……と、だいたい想像していただけると思うので、ここでは、“36歳、既婚・子なし”普段のファッションは“コンサバ&カジュアル”の私が、今すぐ着たいコーディネートをご紹介します。
例えば、足元をメンズっぽく、チャコールグレーの細リブソックスと黒のレースアップシューズ。ストッキング×ヒールとは異なる、モードな雰囲気に。オレンジブラウンのリップをひいてちょっと華やかにすれば、会食にも出かけられます。
続いて、ワンピースとジャケットを別々で。
まずは、結婚式に参列する日をイメージ。ロングネックレス、ビーズバッグ、そしてアンクルストラップパンプス。シャイニーな小物で盛り上げて、パーティー仕様に。「参列服、なに着よう……」は大人の私たちにとってあるあるの悩みですが、シルエットが美しい、かつ老け見えしないこのネイビーワンピースがあれば、落ち着いて大切な人の門出を祝うことができそうです。
ジャケットの襟は、外してノーカラーにしても。タートルニットとワイドパンツに合わせれば、ほら。仕事の打ち合わせなど、ビジネスシーンにもぴったりですよね。あとは、お子さんがいる方なら、授業参観日にも良さそう! です。
ふ〜〜〜。事前に断っていたとはいえ、長くなりました(笑)。最後に私とデザイナー久保さんの何やら楽しげな写真を。
“お笑い好き”という共通点を見つけて、お笑い談義に花を咲かせているところ。「唯一無二な感じと息が長いところ、ファッション界の“劇団ひとり”さんを目指したいです(笑)」とのこと。はい、ゴールデン番組と深夜番組、フォーマル服とモード服、振り幅の広いところが似ていらっしゃるかもです!
というわけで(?)、背伸びせず、長く着られて、美しさも着心地も約束してくれるフォーマル服、一緒に始めませんか?
P.S.すでに10月末からオンラインショップで発売中。セレクトショップや百貨店でも見かけるようになると思いますが、その前にいち早く「青田買い」としてオススメです♡
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