染めても、染めてもまた生えてくる白髪。3週間も過ぎると、根元の白髪が気になり始め、重く沈んだ色味やダメージも気になってきます。大人年齢の女性にとって白髪のお手入れ自体が重荷になることも。ところが、最新技術なら、今までの白髪染めストレス、一気に解決できるんだとか! さっそく取材をしてみました。
白髪染めをしたのに「若くみえない」と感じたこと、ありませんか?
白髪って、数本見えるだけでとても気になるものですよね。トップのつむじまわりはもちろんのこと、こめかみ辺りに生えてきた白髪は特に老けて見えやすいポイント。たとえば、漫画家さんなどがミドル世代を描く時、こめかみに数本の白髪を足したりするものです。だからこそ、私たち世代もわずかな白髪の存在にネガティブな感情を抱いてしまいます。
白髪染めは若さの必須ケアと思っているのに、逆に白髪染めを繰り返すことで「染めたら沈んだ髪色に見える」「重くて暗くて、イメージと違う…」など、戸惑ってしまうのはなぜでしょう。
ヘアカラースペシャリストとして国内外で長きに渡り活躍する、CALON銀座代表の西海洋さんによると、
「白髪染めと呼ばれる薬剤は、髪本来の色を消し去ってベタッと色がのってしまうのが特徴。黒はもちろん、ブラウンであっても透け感がないため、全体を染めると、白髪でない部分の髪色が沈んでしまうんです。そのため、白髪の分量が少ない人ほど、何度も重ねることで髪色がくすんで見えるのです」
一方で、生えてきた根元だけを染めるリタッチでも不自然に見えてしまいますが……。
「この原因は、新たに染めた部分と以前に染めあげた部分に明度と彩度の差が生じることで違和感が出てしまうから。この“違和感”こそが老け見えの正体なのです」
白髪染めに頼らず染める。2つの最新テクニック
老け見えを助長する髪色や質感の違和感。これを解決する方法はあるのでしょうか? そこで、西海さんが最新の2つのテクニックを提案!
「ひとつは白髪をぼかすハイライトカラーがおすすめです。ハイライトと聞くと、世代的にコントラストの強い派手な見た目をイメージしがちですが、最近はもっとナチュラルな仕上がりがスタンダート。淡く透明感のあるブラウンカラーなどで染め上げることで、生えてきた白髪の白色を上手にぼかします。もうひとつは、グレイカラー2.0というテクニック。白髪染め薬剤は一切使わずに個々の白髪の状態と髪質を見極めながら、ファッションカラーだけをブレンドして染めます。なりたい透明感や明るさが手に入りやすく、生えてきた白髪が白浮きしにくいのが利点で、繰り返しの白髪染めによる毛先ダメージも防いでくれます」
テクニック1
淡いカラーで作る「白髪ぼかしハイライト」
バイオレット系ブラウンのファッションカラーで全体を染め上げ、オレンジブラウンのハイライトを足したモデルさん。2色の淡いカラーが根元から重なり合うことで、生えてきた白髪もハイライトの一部のようにカモフラージュします。
全体でみるとこんな感じ!
“白髪染め用ブラウン”との大きな違いは、見た目に透け感があること。質感が柔らかく見えてツヤも生まれるので、髪全体が若返った印象です。ハイライトも極ナチュラルに入れることで、昔っぽい“バキッ”とした派手さがないので、自然な立体感と今っぽさのある上品な仕上がりが叶います。ロングヘアのハイライトでも、こんなにナチュラルな仕上がりに。
テクニック2
ダメージも染めムラもなし!「グレイカラー2.0」
ファッションカラーだけで染めたCALONオリジナルの“グレイカラー2.0”の仕上がりがこちら。一般的な白髪染めは、黒もブラウンも色が沈んで透明感がでないのが特徴ですが、グレイカラー2.0なら、こんなに透け感ある印象。生えてきた白髪も髪色に溶け込みやすいので「すぐに根元白髪が気になる」というストレスから解放されます。
また、一般的な白髪染めはアルカリが強く、ダメージの出やすい毛先がバサッとしやすいのですが、ファッションカラーを駆使して染めることでダメージが軽減されて毛先もしなやか。白髪染めにありがちな色ムラもなく、均一感のある見た目が手に入ります。
全体でみるとこんな感じ!
光を浴びたときのシアー感は、髪を若々しい印象にシフトして肌にも透明感を与えます。「ファッションカラーには根元用のカラー剤と、毛先用の低ダメージのカラー剤があります。これを上手に使い分けながら色を入れることで、より毛先側のダメージが軽減されます。一方、白髪染め薬剤にはこのようなバリエーションがないため、ひとつの薬剤で根元まで染め上げると、どうしてもダメージが加速してしまいます」
ファッションカラーで染まるのに、
なぜ、ヘアサロンでは白髪染めを使うのか?
見た目の美しさ、透明感、そしてダメージが少ないのが最新の白髪染め。このような満足感あるテクニックがあるのに、なぜ世のヘアサロンは白髪染め薬剤を使うのでしょうか?
「白髪染めは、白い毛髪を染めるように作られていますからパワーが強く、その薬剤を使えばスムーズに白髪が染まります。一方で、ファッションカラーで白髪を染めるには、髪質を見極めて薬剤を選定したり、白髪が染まるための色の調合、また、ダメージ軽減のトリートメント剤を混ぜたり、髪の酸化物を取り除くアフターケアが重要となるため、美容師側に高い技術が求められるのが現実です。
最近では白髪ぼかしカラーリングやファッションカラーによる白髪染めの取り組みが進み、このような技術を持つサロンも全国で増えています。気になる人はネットで検索したり、信頼できる美容師さんにぜひ相談してみましょう」と西海さん。
「ただ白髪が染まればいい」ではなく、白髪があってもきれい色に染まる最新の白髪染めなら、見た目も触り心も諦めることなく“髪の若返り”が叶います。白髪染めにネガティブな感情を抱く人、もっと髪色を楽しみたい人はぜひ参考にしてみて。
CALON銀座代表
カラースペシャリスト・西海洋さん
おしゃれな髪色の40代女性をチェック!
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取材・文/小澤佐知子
構成/國見香
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