「成績が良くなってほしい」「良い大学に入ってほしい」など。多くの親が我が子にそう望んでいると思いますが、そのために「勉強しなさい」と小言を言うのは疲れるし、塾に通わせるにしてもそこそこの費用がかかってしまう。できれば自発的に勉強して成績を上げてほしい、というのが本音ではないでしょうか。

そこでご紹介したいのが、「プロ家庭教師」として独自の指導法を展開し、受験生やその親御さんから絶大な信頼を得ている長谷川智也さんの著書『予約殺到の東大卒スーパー家庭教師が教える 中学受験自走モードにするために親ができること』です。本書には、子どもが自発的に勉強する状態=「自走モード」へと導くコツが書かれています。

本書は子どもの中学受験を控えた親に向けて書かれていますが、じっくり読むと「自走モード」は受験だけでなく人生全般でプラスに働くことが分かります。では、どうすれば子どもを「自走モード」にできるのか? そのコツについて触れた一部をご紹介します。

 


「自走モード」は親が導くことができる


「自走モード」とは、スイスイと自転車を漕ぐイメージで、僕が名付けたものです。子どもが、補助輪を外した自転車に乗る場面を思い浮かべてください。最初からスムーズに乗れた子は少なくて、多くは大人が支えて練習します。何度かグラグラしながら練習したのち、ある日スーッと自分でペダルを踏み、漕ぎ出していく。その時、大人は手を放します。あとは自分で思うままに、自分の行きたい目的地へ進んでいく──。そんなイメージです。これを中学受験の現場に当てはめると「自走モード」に入った子は、親や塾に言われなくても、自力でスーッと勉強に向かっていきます。

 

どんな子も、親が「コツ」を持って導けば、必ず「自走モード」になれます。ただし「自走モード」は一日にして成らず。時間がかかりますし、子どもの成長は早い子もいれば遅い子もいるので、その覚醒タイミングが前後するのは仕方がありません。

「自走モード」覚醒の条件は、次の4つです。

①「計算力」
②「国語力(読解力)」
③「体」
④「習慣」

この4つがそろった時、自然と「自走モード」へ向かっていきます。


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長谷川さんが見た受験生の母の「熱狂」
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イラスト/成瀬 瞳