「感想の横取り」をしない
お洋服のショップに入って、ちょっといいなと思った服やバッグに触れた瞬間、
「それ、すごく可愛くないですか」
と店員さんに話しかけられ「……あ、はい」と棚に戻してしまったことはありませんか。
”すごく可愛い”かどうかを確認しようと思って手にとったのに、先に言われてしまうと気持ちがさめてしまう……これを私は「感想の横取り」と呼んでいます。
文章でも「感想の横取り」に気をつけなくてはいけません。熱意を込めて書いたのに反響が薄かったと感じた文章があれば、読み手が感じるべき感想を先にぜんぶ書いてしまっていないか見直してみてください。
読み手がコメントする余地を残すのが「みなまで言うな作戦」です。
可愛い! 格好いい! 欲しい! 便利そう! 感動した! 元気がでた!
など、自分が思った感想は読んでくれた人に言ってもらいましょう。そのくらい読む人を信じて、委ねていいんです。
逆に言えば、自分と同じ感想が出てくるように描写できるかどうかに書き手の手腕が問われています。
例えば、アイドルグループとして活躍する一人にインタビューした際に「TVや雑誌で見るふんわり可愛らしいイメージと違って、ロジカルな人だな」と感じたとします。そのままインタビュー記事に「イメージと違って理論的な方でした」とは書かずに、読んだ人が”グループでいるときの印象と違うな”と感じとれるように、ロジカルな一面が伝わる描写を意識してみましょう。
目に見える反応がすべてじゃない
閲覧数や再生回数、いいね数、コメント数といった数値が見えてしまう分、それに一喜一憂する気持ちはすごくわかります。私自身も、記事をアップした直後は数分置きにチェックしてしまうこともあります。
でも、自分が読む側の場合をふと考えると、深く感動したり心動かされたときほど何も反応していなかったりします。
とくに、書き手の人生の大きな変化、家族や近しい人の死、病気の話、何かを克服した話などに対しては、いいねボタンでは軽すぎる、ハートボタンはふさわしくないのではとリアクションを躊躇することも。しかし、そういう“心の深いところのカミングアウト”を含む記事は、読んだ人のその後の転職や離婚など大きな決断に影響を与えることだってあります。反響のタイムラグが長い記事とも言えますね。
だから「即レスに一喜一憂しないでくださいね」としつこくお伝えすると同時に、書き続けて欲しいと思う連載や書き手さんには「積極的にリアクションしてください」とお伝えしたいと思います!
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