人気店「松之助」オーナー・平野顕子さんに学ぶ、45歳からの“後悔しない人生”の歩き方_img3
60代後半にひと回り以上年下の旦那様と再婚。「年齢はジャストナンバー。ただの数字にすぎないでしょう。それよりは、相性のほうが大事」と考える旦那様。平野さんもまったく同感だと言います。

「お金の使い方は人それぞれ。そのお金で10年間生活しようと、2年間で使い切ろうと、お母さんが幸せになれるのだったら、どっちも同じことでしょう」とまじめに説明したら、「それだけの決心があるなら、しょうがないね」と納得してくれました。

一方、しっかり者の娘の反応はまったく別のものでした。
「行ってらっしゃい、行ってらっしゃい。もし卒業できたら、快挙じゃない! もしできたら、だけどね」

ニューヨークにお店を出すときも同じような反応でした。
息子の言葉は、「その根拠のない自信は、どこからきているの?」。
自信なんかありません。ただ、向き合う情熱と、変化を恐れずに挑戦する心意気があるだけです。

再婚についても、息子は「相手が幸せにしてくれると思ったら、大きな間違い。その人といるだけで幸せと思えるなら、それ以上、相手に望むな」と。加えて「学習してください、母上さま」とも言われました。

娘は「自分が選んだ答えが正解だと思って、楽しんで人生を歩んでね。今日あることが明日も必ずあるとは限らないから、今を大切にね」。

はい。縁あって親子になったふたりの言葉をかみしめて生きております。

 

著者プロフィール
平野顕子(ひらの・あきこ)さん

京都の能装束織元「平のや」に生まれる。47歳でアメリカ・コネチカット州立大学に留学。17世紀から伝わるアメリカ・ニューイングランド地方の伝統的なお菓子作りを学ぶ。帰国後、京都・高倉御池に「Café&Pantry 松之助」、東京・代官山に「MATSUNOSUKE N.Y.」と、アップルパイとアメリカンベーキングの専門店をオープン。また、京都と東京に、お菓子教室「平野顕子ベーキングサロン」も開校。2010年、京都・西陣にパンケーキハウス「カフェ・ラインベック」をオープン。著書に『アメリカンスタイルのアップルパイ・バイブル』(河出書房新社)など多数。
松之助:https://matsunosukepie.com/
平野顕子インスタグラム:hiranoakiko214

人気店「松之助」オーナー・平野顕子さんに学ぶ、45歳からの“後悔しない人生”の歩き方_img4

『「松之助」オーナー・平野顕子のやってみはったら! 60歳からのサードライフ』
著者:平野顕子 主婦と生活社 1650円(税込)

人気店のオーナーを務める平野顕子さんが、「やってみはったら!」の合言葉を胸に切り拓いてきた自らの人生を綴ります。45歳までの専業主婦時代の「ファーストライフ」、おひとりさま時代の「セカンドライフ」。そして60歳を過ぎた現在は、年下アメリカ人男性と結婚して彩り豊かな「サードライフ」が進行中。変化を楽しみ続けるその姿に、セカンドキャリアを踏み出す勇気とヒントがもらえる一冊です。大人気「アメリカンアップルパイ」のレシピも掲載!


撮影/宮濱祐美子、Ben Hon(@Stuff BenEats)
構成/金澤英恵


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