竹二:で、かつやの株は買った方がいいの?

父:そう、ここからが本題ね。かつやの株を買うかどうかは、かつやがこの先どうなるかを予測しなければならない。例えば客はこの先も増えるのか。

梅三:お客を増やすには店を大きくすればいいの?

父:必ずしもそうとは言えない。店を増やすことと、店の面積を広くするのとは違う。飲食店ってのはピーク時間以外は客がいない。混む時間帯は決まってる。むしろ混んでいない時間帯の方が長いくらいだ。それなのに店を大きくすると固定費が上がる。経営効率を考えると店は小さくしておいてピーク時間帯は並ばせればいいという考え方もある。

梅三:なるほど。ってことは店を増やさなくちゃいけないのか。

 

父:そう。いま何店舗あって、仮に日本だけでやるとしたときに、あと何店舗出せそうかという予測をする。その予測は自分でゼロからやる必要はなくて、会社が発表している計画をチェックする。そして本当にそれが実現できるのかを自分の頭で考えるんだ。

梅三:どうすればわかる?

父:仮にかつやが3000店舗を目指すと言ったとする。そのために年間何店舗新規に出店しなきゃならないかが事業計画書に書かれているはずだ。まずそれを見る。

竹二:それを見て事例を調べればいい?

父:いいこと言ったね。それをいままで達成した会社があるのかをチェックする。ではかつやと似たような業態は何か?

竹二:𠮷野家、てんや、ペッパーランチ。丸亀とか。

父:そうそう。こういう会社の店舗数を調べればいい。3000店舗やってるところがあるなら、それは現実的な目標と考えることができる。そうでなければ、前人未到の領域ということで、大言壮語、夢物語の可能性がある。ならばいいとこ2000店舗じゃないかと仮の数字を立ててみる。そうすれば利益が計算できる。

 

買うタイミング、売るタイミングの見極め方

 

竹二:利益の試算はどうやって?

父:例えばいま500店舗だったとして、それが2000店舗になるってことは4倍。となると利益は4倍とざっくり試算できる。すると株価も4倍になると考える。それが目標株価。

竹二:だから、この株価になるはずだけど、それに比べたらいまは安い。だから買うと判断するってことだね。