皆さん、こんにちは。今日もモヤモヤしていますか?

ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをもとに、日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。

今日ご紹介するのは、職場やSNSで多くの人が感じたことがあるであろう、ちょっとヒリヒリするモヤモヤエピソードです。

「それ、聞く前に自分で調べた?」なんでも調べられる時代の「質問のしかた」「答えかた」_img0
 

どうして自分で調べないの?なんでもかんでも質問しないで!


モヤモヤエピソードをお寄せくださったのは、ベテラン派遣社員のマスミさん(44歳、派遣社員)。

今の職場には、勤めて2年目になります。ずっと派遣で働いてきたので、定期的に職場が変わることには慣れっこ。業界はずっと同じなので、仕事の仕方やルールなんかについては勘所もついてきて、どこでも比較的早く仕事に順応できていると思います。

最近気になるのは、正社員の人たちの質問グセ。「このシステムの入力方法教えて下さい」「これってどういう意味ですか?」「いつまでに提出すればいいですか?」とにかくなんでもかんでも質問してくる。それなりの規模の会社なのだから、マニュアルはちゃんと整備されているし、その存在を知らない訳ではないでしょうに。私もパッと分かることは教えてあげるのですが、忙しいときは「自分で調べてください」とぴしゃりと言うこともあります。

でもそういう人って、結局他の人に聞きに行ったり調べないで適当に作業したりするんですよね。聞けば誰かが教えてくれるはずという人任せな姿勢に、とてもモヤモヤします。


「そんなこと、人に聞く?」みたいな些細なことを質問してしまう人、いますよね。SNSでも、簡単に調べられることをしつこくコメントする人が気になることも。過去には「ggrks(ググれカス)」などという嫌な言い方が流行ったこともありましたよね。

 


「パッと教えてくれたっていいじゃん」に隠された本音は?


「聞く・聞かれる」は持ちつ持たれつだと思うので、自分に分かることならさらっと教えてあげたい。でもものには限度というものが……。

「それくらい自分で調べなさいよ」ということを質問する人の心理はいったいどういうものなんでしょう。

①ふと疑問に思った。(それ以上なにも考えていない)
②調べる方法を考えるより、聞いた方が早いと思った。
③調べてみたが分からなかった、または調べる方法が分からなかった。

①はある意味「天然」な人。さらっと答えてあげるよりも、「こうやって調べればいいんだよ。そして、人に質問する前にまず自分で調べようね」と一度きちんと向き合ってあげた方が親切なように思います。こういう「天然」を放置すると、その人自身のためになりませんからね。

②は確信犯。とはいえ、このタイプが一番多い気がします。ちなみに私自身もこのタイプ。「調べたら分かるのかもしれないけれど、パッと聞く方が効率いい」と思っています。

ただ、「相手に大きな負担をかけないのであれば」というのが前提。聞かれた方は、「調べ方は分かるんですが、私もこれから調べてみないと分かりません」「答えは知っていますが説明が難しく、むしろ自分で答えを見に行った方が効率的だと思います」とさらりと伝え、「ですのでご自分で調べてください」と調べ方を案内するのがお互いにとって健康的な対応でしょう。


極端に言うと、「相手の時間より自分の時間の方が重要」と思っている可能性を否定できないのが①②の共通点。(お仕事の場面であれば、二人の関係や職務分掌上、それが事実なこともあるかもしれませんが)

①は無意識だと思いますが、質問する前に自分で考えないというのは、相手の時間を侵食することに抵抗がない証拠です。マスミさんがモヤモヤされたのも、きっとこれが理由なのではないでしょうか。


でも、「自分にとっては常識」が相手もそうだとは限らない


とはいえ。「③の人も一定数はいる」ということを、特にベテランと言われるようになった人たちは意識しないといけないと思うのです。マスミさんのように、「環境変化に適応することに慣れている人」もある意味ベテランです。

「そんな基本的なことを質問してくるなんて」とびっくりすることもあるのでしょうが、自分にとって「基本的」と思えることが、相手にとってもそうだとは限りません。

「そんなことも分からないんですか?」「それくらい自分で調べてください」という冷たい姿勢は、本当に困っている「分からない人」を委縮させます。本人は一生懸命考えた挙句、勇気をふりしぼって質問したのかもしれないのに、追い打ちをかけるようなことをあえてする必要があるでしょうか。

「パッと答えを差し出す」と「パッと切り捨てる」の二者択一が、どんな場面でもベストな対応だとは思えません。長期的に考えれば、「どうやったら答えにたどりつけるか」をシェアしてあげることの方がお互いにとって有意義で、結果効率的なような。皆さんはどう思いますか?

皆さんのモヤモヤ話を教えてください!

職場や家庭で、イラっとしたけど言えなかった、違和感を感じたけど言葉にできなかった、モヤモヤしているのは私だけ? と思った経験がありましたら教えてください。エピソードを掲載させて頂く際はミモレの会員ニックネームではなく、仮名でご紹介します。皆さまからのエピソード投稿をお待ちしております。

応募する

〔ミモレ編集室〕は、ミモレのオフィシャルコミュニティです。「好きを伝え、つなぎ、つながる」をキャッチフレーズに、〔ミモレ編集室〕メンバーの一人一人がこれまでに培ってきた美意識や好きなこと、最近気になっていることなどを自由にシェアし、繋がる場です。

構成・文/梅津 奏


前回記事「私、夫にパワハラしてる?!家族に優しくできない問題」はこちら>>


関連記事
相手の信頼を勝ち取る「質問力」があれば、仕事はうまくいく【フリーアナウンサーの対話術】>>

「女性らしい職場」ってどんな職場?「言葉選び」の鈍感さに傷つく前にまず考えたいこと>>

「お菓子配りって、私の仕事なの?」一人一人の席を回る…女性社員の苦痛>>

「謙遜・自虐の誤爆」にご注意を。「挫折エピソード」の自己紹介が生んだ悲劇とは>>

「お子さん、大学はどちらに?」に潜む“無自覚”の怖さ。モヤモヤの正体ってなんだろう>>