100均の即買い「介護グッズ」


後日、職場でこのことを話すと、先輩の女性が親の介護で100均をフル活用していることが判明。オススメのグッズも教えてくれました。

「即買い商品は、入れ歯ケースうがい受けシリコンスプーン杖ゴム吸い飲みストローコップピルケースピルカッターケースからだ拭きかな。寝たきりになると、おしり拭きはオムツに包んで捨てることが多くなるから、トイレに流れるタイプでなくてもいいよね。からだ拭きの方が顔からお尻まであらゆるところに使えるから便利だと思う。それから、定期的に杖ホルダーを交換する方は、それもチェックしたいところ」

逆に先輩に、100円ショップではあまり購入しない方が良さそうな介護グッズを聞くと「杖」という答えが。杖ももちろん格安で購入できますが、グリップが樹脂製で硬いため、長時間負荷をかけて使用すると手が痛くなってしまうのだそう。また、杖の先端の滑り止めのゴムが弱いといった欠点があるのだとか。杖は命を守る道具の1つですし、最近は花柄などのカラフルなものも多いので、個人の趣味も取り入れて楽しんだ方が良さそうです。先輩は「介護保険の福祉用具レンタルでも月々50〜150円程度で借りることができるので、その人の体に合った長さや握りやすさ、太さなど専門家に見立ててもらうのが安心」といいます。

 


100均「介護グッズ」の上手な取り入れ方とは?


介護用品は、専門店などで揃えようとすると費用の面で負担が大きくなります。ただし、比較的リーズナブルな100円ショップの商品の中にもお得なアイテムとそうでないものがあるため、価格や性能を比べて購入するのが賢い利用方法。とりあえず試してみる時や練習用に頻繁に使うもの、外出用などには最適かもしれません。

また、一見介護とは関係のなさそうな商品でも、別の用途で利用できたり、2つの商品を組み合わせることで便利になることも。今回美奈子さんにアドバイスしてくれた先輩も、介護食のとろみ剤を溶かす際に小さな泡立て器を活用しているといいます。ダマになるのを防ぐために、コップの中で小さい泡立て器を回すとちょうど良いのだそう。

ちなみに、100円ショップの中でも今回紹介したダイソーが最も介護系商品の品揃えが良く、近くに店舗がなくても通販サイトで購入できるので(介護のカテゴリがあるのです!)、これを機に介護の視点から商品をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 使える100均の「衣食住別・介護グッズ」
衣:大人用紙おむつ(パンツ・テープタイプ)、尿取りパッド、締め付けない靴下

食:シリコン製スプーン、介護スプーン(先端が曲がっているもの、フォークと一体のもの)、U字スプーン、介護箸(リングの付いたトレーニングタイプ)、介護用コップ(取手付き)、ストロー付きコップ、吸い飲み、使い捨てエプロン、口腔ケアスポンジブラシ、舌ブラシ、入れ歯用洗浄剤、うがい受け、入れ歯ケース

住:介護シーツ、からだ拭き、おしり拭き、薬ケース、ピルカッターケース、入れ歯ケース、車いすマーク、身体障害者マーク、杖ホルダー、杖ゴム(取り換え用ステッキゴムキャップ)、ビニール手袋
写真/Shutterstock
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子

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