ひらがなにしたほうがいい言葉
媒体や発注元の企業やブランドが表記ルールを定めていることもあるので、初めて執筆するときは確認されるといいと思います。掲載中の記事やバックナンバーを確認するのもいいですね。自分で決められる場合も、表記が揺れないようその文章の中の表記ルールを決めましょう。
よく使う語句のなかでひらがな表記が望ましい語句ピックアップして、講談社の表記ルールをもとにまとめました。ご参考にされてください。
<もとの意味が薄れた形式名詞>
・事→こと
・物→もの
・時→とき
・所→ところ
<もとの意味が薄れた動詞>
・言う→いう(「という」のとき)
・下さい→ください(「欲しい」という意味ではなく、〜してくださいなど依頼のとき)
・欲しい→ほしい(〜してほしいなど補助動詞のとき)
・有る、居る→ある、いる
<副詞>
・全く→まったく
・更に→さらに
・既に→すでに
・最も→もっとも
・例えば→たとえば
・専ら→もっぱら
・予め→あらかじめ
<そのほか、よく使う言い回しでひらがなが望ましいもの>
・方→ほう(〜するほうがいいなど。「購入された方」など人を意味する「方」と区別する)
・色々→いろいろ
・毎に→ごとに
・等→など
・折角→せっかく
・何故→なぜ
このあたりが“ひらいて統一”されていると「お、この人はプロだな」と思われます。
迷ったときの目安として『用語用字辞典』や『記者ハンドブック』を1冊お求めになるか、文化庁の「No.21 公用文の書き方資料集」にある「用語用字例」も参考になると思います。常用漢字にないものや、かな書きが適当とされているものが示されています。
これらの表記ルールは絶対ではありません。文芸作品や作家性の高いエッセイなどでは“あえて漢字”にしていることも。「ミモレ」では著者の個性を重視して、その記事の中で統一されていればよしとする場合もあります。大事なのは、文章作成ソフトの変換がそう出してきたからそのまま載せるのではなく、意図を持って選択することなのです。
文章のビジュアルデザインも、ぜひ一語一句こだわって調整してみてください。
次回は、文字や数字以外の記号=約物(やくもの)の使い方について解説します。かっこ(「」)や、リーダ(…)、エクスクラメーション(!)も見た目印象を大きく左右します。知っておきたいルールと適正分量について考えます。
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