お抹茶をいただいた次は、精進料理です。
『食に感謝し生きることに喜ぶ、それが精進』であり「食事」も修行のひとつと考えて心と体の浄化を説いています。
精進料理をいただくと言うことは「食の姿をした仏様」の教えであり、お作法があります。まずは、感謝をすること。
すべてのもの、草木にも命があり、その命を頂戴して私たちは生かされています。お箸袋の内側に書かれた「食事五観の偈」は、普段食事の前に唱える「いただきます」という言葉の奥の意味について改めて考えさせられるものでした。
1. この食物が食膳に運ばれるまでには、幾多の人々の労力と神仏の加護による。
2. わたくし共の徳業の足らざるに、この食物を戴くことを過分に思います。
3. この食物にむかって貧る心、厭う心を起こしません。
4. この食物は、天地の生命を宿す良薬と心得て戴きます。
5. この食物は、道業を成ぜんが為に戴くことを誓います。
例えば、お米は農家のかたが八十八回手間がかかると云われるほど大変な苦労を重ねて出来たものです。すべてのお料理がこの食膳に上るまでに沢山の人の手を経て今はじめていただくことに感謝すること。
そして、私は今この食事をいただけるほど日夜精進する努力しているかどうか考え、自分の行いを反省すること。
ときには、お腹がへると怒りっぽくなったりして過ちを犯してしまうこともあるかもしれません。だからと言って、おいしいからたくさん食べすぎたり、ワガママを言って好き嫌いをしないこと。いつも正しく清い心を持つことが大切。
食事は、楽しみの為だけではなく、私たちは食事を取らなければ生きていくことができません。薬をいただくのと同様でやせ細ったり命が絶えたりしないためにこの食事をいただきます。
そして、最後に自分自身、より良い人間として素晴らしく生き続けることを誓います。
今、尊い命をいただく、このお食事をいただきます。
高級料亭にように丁寧にそして、なんとも美しくておいしいお料理の数々。四季折々の山菜、野菜、海藻、穀類など優しい素材を活用し、心と体の健康に役立つお料理。
今まで、美味しいとか、美味しくないとか、味付けや盛り付けのことばかり考え、いかに、食事の時間を豊かで楽しくするかということだけを大切にしてきました。
和尚様は「食を楽しく食す。それが一番の健康法」だとも説いていらしていました。
精進料理というと、物足りなかったり、またお寺でいただくお食事は質素すぎて満足いかないのでないのかと敬遠してしまう方もいらっしゃると思います。大安禅寺でいただいた精進料理は特別な日のご馳走ではありましたが、ひとつひとつのお料理を五感だけでなく、心でいただくということの大切さを学びました。
精進料理は料理の根本でもあります。食材を活かし、食材を愛す。大安禅寺の精進料理は、福井の地元の野菜を使い五色五法を守って作られた基本的なお膳とのこと。誰もが美味しく食せるように作られていて、真心がこもった思い出に残るようなそんなお料理です。
私がこれから料理をするとき、そして、食事をいただく時、一つ一つの食材がここまで運ばれてきた旅にも想いを馳せていきたいと思いました。
福井の皆様からいただいたご縁と学びを大切にしていきたいと思います。
機会があったらぜひ皆様もいらしてください。
【レシピ集】目にも舌にも美味しいヴィーガンレシピまとめ
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